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『遠い星の話』  作者: 五木史人
11章 ファンファーレが鳴る中
203/251

1話 思考ノイズの中で


 話は再び『8章9話 機械の猫の愛が止らない!』機械猫たちと遭遇した時点に戻ります。


 

人類の皆さまはこちら↓

【沙羅】この惑星に漂流してきた人類の少女14歳。錬の兄が好き♪

【錬】ゲーム好きな人類の少年13歳。

【知佳】躍るのが好きな12歳の少女



 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 知佳が振り回した新体操用のこん棒は、機械猫のあゆみの頭部を直撃し、あゆみの思考回路がノイズに満ちた。


 >しまった!


「えっ何これ、めっちゃ可愛いんですけど!」


 ノイズまみれの中、人間の少女の声が聞こえた。

 今さっき、こん棒で殴りつけた少女だろう。


 >可愛いんですけど!?


 思考が乱れる中、あゆみは必死で思考を巡らせた。


 >可愛いんですけど!?俺の事か?

 >俺の事だよな!

 >間違いなく、俺の事を可愛いって言っている!


 あゆみが機械猫になったのは、人類滅亡後。

 当然、生きてる人間に「可愛い」と言われた事がなかった。


 >可愛い。猫として、こんなに嬉しい事はない・・・


 あゆみの思考回路内は、今まで感じた事がない程の幸福感に満ちた。


 >可愛い。なんて良い響きなんだ。


 さらに機械猫のあゆみの視線に入ってきたのは、本物の猫だ。


 >!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 その衝撃は、言葉に出来なかった。


 >これが本物の猫!?なんて事だ!可愛すぎるじゃないか!


 さらに清楚な美しい少女が見えた。


 >美しい・・・交渉相手の娘か?

 >そうか、俺は人類と交渉しなくてはいけなかったんだ。


 倒れ込んでいたあゆみは、ゆっくりと立ち上がった。


「まだやる気?」

 こん棒を持った少女が挑発してきた。


 >『待て』あれ声が出ない。

 >あのこん棒の攻撃のせいだ。

 >ああああああああ。


 こんな時の為の猫笛を吹いた。

 生の猫たちは反応したが、人間たちには聞こえないらしい。

 バイカルなら駆けつけてくれるはずだ。



 とりあえず間が持たないので、あゆみは踊ってみた。

 こん棒をもつ少女は、機械猫の踊りに少しだけ驚いたが、こん棒少女も綺麗に踊り始めた。


 >なんて美しいダンスだ!

 あゆみは、ただ見惚れた。


 >恋をしたかのような感覚。

 >異種同士の遭遇としては、こんな良い出会いはないだろう。


 こん棒を持つ少女が動きを止め、表情から笑顔が消えた。


 >なんだ?


 視界にバイカルが映った。

 あゆみにとっては見慣れた白虎型アンドロイドだが、知らない奴が見たらかなり凶暴ななりをしている。

 そんな奴が、突進してきていた。

 あゆみが襲われたと思ったのだろう。

 襲われたのは事実だが!

 状況は急変した!


 >バイカル!待て!



 つづく


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