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『遠い星の話』  作者: 五木史人
10章 時の記憶
198/251

16話 俺、凄いな、やっぱり(笑)



「なんじゃこれーーーーーー!俺はどうしてしまったんだ!


なんで?なんで?なんで?俺はロボットになってるんだ!」


あゆみは自らの身体を見て、絶叫した。



その絶叫に、青銅の生き物はぎこちなく驚き、機械ネズミはペガサス号を飛行モードに変形させ、あゆみの周りを飛び回った。



『人類時代の意識が甦ったのか?』



5000年も生きていれば、そんなエラーも多々ある。



あゆみは、意識がカオスな状態のまま泣き叫んだ。


「なんなんだよ!」



機械ネズミは、あゆみの上空を飛びながら、


「そりゃあ自分の身体が、突然ロボットになってたら驚くよな」



5000年前、人類は自らの人の身体を喪失した。


理性では解ってはいたが、それは衝撃的な選択肢だった。



カオスに泣き叫んでいたあゆみが、動きを止めた。


「あっそうだった、人類は滅亡するんだ」



あゆみは絶望したまま、天を仰いだ。



『あゆみ、落ち着いたか?』


あゆみは、そう言う白虎のロボットのバイカルを見つめた。



「お前は、なんやねん!」


「当然なツッコミだな」



機械ネズミはにやけた。



「お前も、なんやねん!」


「当然なツッコミだな」


さらに思慮深げな青銅の生き物に対しても、


「お前も、なんやねん!てか、ここはどこやねん!」



機械ネズミは、


「あのな、あゆみ、人類滅亡からもう5000年経ったんだ」


「5000年!マジで!ええええええええええええええ!」



あゆみは数分、事態を理解するのに要した。


そして水族館のガラスに映る自分の姿を見つめた。


「なんやねん!俺は?」



『5000年かけて進化したお前の姿だ』


あゆみは再び、ガラスに映る自分を凝視した。



「マジか・・・ふふふふふふふふふ、俺、凄いな、やっぱり(笑)」


あゆみは、にやにやと自分の5000年かけて進化させし続けた機体を確認した。



「お前、ホント猫やわ」


機械ネズミは呟いた。




つづく




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