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『遠い星の話』  作者: 五木史人
10章 時の記憶
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15話 強い水圧の中で、相方を想う時



陸上らしき物。


陸上らしき物との間には、強化ガラスで隔たれていた。


まるで水族館の魚になった気分だ。



シュガーコートが、再会を喜んで無邪気に手を振っていた。



『こいつ、アンドロイドにとって水圧が危険な事を知らないらしい』


「さすが最安値のシュガーコートだ」



機械ネズミの潜水タイプに変形したペガサス号に、シュガーコートは大喜びだ。



水族館の客席側には、青銅の生き物が深謀遠慮な表情で、こちらの様子を伺っていた。



その深謀遠慮な表情は、絵になるほどカッコ良かったが!



「カッコいいけど!こっちは、それどころじゃないんですけど!」



青銅の生き物は、静かに歩いた。


そのもの静かな歩き方は、とても洗練されていた。



『違う!この青銅の生き物は、深謀遠慮な自分に酔っている。きっとこいつ鏡の前でかなり練習していたに違いない!』



バイカルの推理に、あゆみもそんな風味思えてきた。



「歩いてないで、さっさと開けろよ!こっちは記憶回路がやられそうなんだ!」



あゆみの切羽詰まって表情が伝わったのか、青銅の生き物は、水槽に内部に繋がる小部屋に入った。そして、こっちに来るように手招きをした。きっと水圧調整室の類だろう。



「なんだろう、これ?思考回路内にアラームが鳴ってるんだけど・・・」


あゆみの言葉に、バイカルは急いであゆみの腕を握った。


「頼りになる相方だぜ・・・・」



水圧調整室のドアが開き、あゆみとバイカルとペガサス号は、飛び込んだ。



青銅の生き物は、


「お待たせ致しました」


と丁寧に言ったが!



『お前!遅いんでよ!』


大音量バージョンのバイカルの声が響いた。


大音量バージョンを聞くのは、何十年ぶりだろう。



しかい【遅いんでよ】って、若干エラーが出たが、大音量なのはかなりの快挙だ。



『おい!あゆみ!大丈夫か!』


大音量のまま、あゆみに問いかけた。



問いかけ続けて数分後、あゆみは動き出すと、



「あれ?何だろう、この身体は?」



『えっ?』




つづく


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