表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『遠い星の話』  作者: 五木史人
10章 時の記憶
185/251

3話 猫とネズミと優しいシュガーコートさん



機械猫と機械ネズミが、宇宙船にはいると、パイロットのシュガーコートが目を覚ました。



「はっ!アルバムさん、お久しぶりです!」


起動したシュガーコートは、機械ネズミのアルバムを見つけると


「お会いしとうございました!」


と駆け寄った。



アルバムさんは、ペガサス号から飛び降りて、シュガーコートに抱き着いた。


「俺も会いたかったよ!やっぱシュガーコートは優しい奴らばかりだよ」


そして「これが愛だ!」と、あゆみとバイカルに視線を送った。




あゆみはバイカルに、


「俺さぁ機械の猫だからって訳じゃないけど、ネズミを餌としか思えない設定なのかもしれない」


『それな・・・』



あゆみとバイカルは、そんな目で機械ネズミのアルバムさんを見返した。



「お前ら、なんやねん!仲間だろ俺たち!」



「そう言った意味でな」


『安心しな、俺たちは機械だから、お前を食べたりしないから』



あゆみは、シュガーコートに抱き着くアルバムさんの頭を撫でてみた。


「なんか寒気がするわ」



「ささ、皆さん行きますよ」


久しぶりに起動したシュガーコートは、機嫌良く声を掛けた。




宇宙船は静かに時計の星に向けて出港した。



ダラダラした生活から抜け、冒険の始まりに、機械の心だがドキドキしているような気がした。



『なあ評議会の連中がいたらどうする?』


「逆に助けを求めるってのはどうだ?」


『漂流者としてか?』


「こんな辺境に要るのは漂流者が冒険者だろ。それにほら、パイロットがシュガーコートだし、ありえない事じゃないだろ」


『あぁ、そう言った意味では、シュガーコートは役に立つな』


「同情されることはあっても、警戒されることはまずないからな」



機械猫たちが話していると、機械ネズミが、


「おい!お前ら、その発言、シュガーコートさんに失礼だぞ!」


とお怒りだが、


「良いんですよ、わたしはそういう役目ですから」


とシュガーコートはネズミをなだめた。



そう言っているうちに、時計の星の全貌が見えてきた。


僅かに動いている歯車の見える時計の惑星。


アンティーク時計好きには溜まらない外観だ。



『でも、それが準惑星サイズだと、さすがに引くな』


「ああ、国家予算とかそのレベルだしな」





つづく


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ