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『遠い星の話』  作者: 五木史人
9章 不確実な記憶の世界で
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18話 猫に呼ばれたネズミ

機械ネズミの地下秘密基地に、機械ネコから手紙が届いた。


一見、暑中見舞いだが、我らは秘密組織に属する者同士。


もちろん暗号のはずだ。



機械ネズミは、暗号コードで解析を行ってみた。


「ん?」


何度やっても、それらしい文章は浮かんでこなかった。


「機械猫の事だ、古いバージョンの暗号解読パターンかも知れない」


と悪戦苦闘する事、1週間。



やはりそれらしい文章は浮かんでこなかった。



じっとその手紙を睨み続ける事、1時間。



「まさか!」


機械ネズミは横書きに書かれた文章を、縦に読んで見た。



【こ】【け】【の】【ほ】【し】【へ】【き】【て】



「苔の星?なんだろう?」



機械ネズミは、秘密結社サインの極秘サイトも含めて、検索してみた。


準惑星の1つに、緑色の星が出てきた。


その星の表面には苔が自生しているらしい。



「ここかな?」



機械ネズミは、


【こ】【け】【の】【ほ】【し】【へ】【き】【て】


を見つめた。



「だとしてだ、だとしたら、だとしても【サイン】を通じて、連絡が来るはずだ」



罠かも知れない。


いや罠だとして、こんなしょぼい罠なんてあるだろうか?


高知能を誇る人型アンドロイドが・・・



こんなしょぼい事する奴らって、あいつらしか思い浮かばない。



あいつら・・・



正式に【サイン】から何も言って来てはいないのだが、機械ネズミはあいつらに逢いたくなったからなのかも知れない。



機械ネズミは、ペガサス号に跨ると、秘密基地の奥にある宇宙船ドックへ移動した。


宇宙船ドックと言っても、機械ネズミサイズの小さな宇宙船ドック。


小さなお風呂場ぐらいだ。



機械ネズミは、お気に入りのペガサス号を宇宙船に収納すると、新月の薄暗い真夜中に、機械ネズミはアンドロイドが支配する惑星から、宇宙へと飛び立った。



反重力エンジンの為、それはとても静な旅立ちだった。



アンドロイドの管制官にとってはスペースデブリ扱いだ。


この太陽系を支配しているアンドロイドたちに、認識すらされないレベルだ。



その小さな宇宙船が大気圏外に出た後、


「完璧だ」


宇宙船のコックピットで、機械ネズミのアルバムは呟いた。



思考回路の奥が、わくわくしている事は、あいつらには知られたくはない。




つづく




☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆



機械のネズミ



【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。


【ペガサス号】アルバムさんの大切な乗り物。



【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。


【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。



【黒猫と白猫】人類と一緒にやってきた猫


【獅子の様な石像】石で出来た生命体?



【苔玉ちゃん】苔の知的生命体。人類より高度な文明に属してそう。



【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド


【デューカ】ソフィーの相方




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