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『遠い星の話』  作者: 五木史人
9章 不確実な記憶の世界で
175/251

14話 小さな要塞

はしゃぐバイカルと二匹の石像の後を追って、苔玉ちゃんとあゆみも庭園に出た。



「ここは元鉱山らしさは、あんまりないな」


「元鉱山なのは、きっとあの準惑星だよ」



解説書間違いとるやないかい!


シュガーコートのポンコツさと言い、ホントに惑星評議会が恐怖する秘密結社か?


いい加減な!




苔玉ちゃんは、窓の外を指差した。


大きな窓の外には、丸い準惑星が浮かんでいた。



「あの準惑星の方は2000年前まで鉱山だったんだけど、放棄されたから、捕獲したんだ」



「準惑星を捕獲?」


「重力はこちらの方があるからね、簡単だったよ」



はしゃぎ疲れたバイカルが、定位置のあゆみの左隣に着いた。


『苔玉ちゃん、中々規模の大きな事を言い始めたけど』


「ところどころ高度な技術が垣間見れるな」



苔玉ちゃんは、空に浮かぶ準惑星を見上げ、



「敵対的な勢力が近づいて来たら、あの準惑星を艦隊にぶつけるんだ。大抵の艦隊はびっくりして逃げ出すと思うよ。あの準惑星の表面は、ダイヤモンドと同程度の硬度でとても硬いんだ」



「ダイヤモンドと同程度の硬度の準惑星を、艦隊にぶつける!」


『癒し系の苔玉ちゃんの口からそんな言葉が、俺ちょっと哀しいよ』



「あの準惑星の操作方法は、後で教えてあげるね。ここは君たち機械猫の宇宙要塞でもあるんだから」


「機械猫の宇宙要塞?」


「そうだよ。その為に来たんでしょう?」



『そうなのか?』


「秘密結社からは何も聞いてないけど、そうなんじゃない」



何苔玉ちゃんが、めっちゃ眠そうな顔をし始めた。


表情はとても幼く、子どもの様だ。



苔玉ちゃんは、庭園の苔の草原にそっと身体を沈めた。


まるで苔の草原と同化しているように。


そして静かに眠りに落ちて行った。



『眠ったか?』


「眠ったね」


『俺たちがいるのに自由だな』


「今まで会った事がなかったが、苔って、そんなもんなのかも知れない」


『なるほど』


「しかし後で教えてあげるって、どのくらい後だと思う?」


『あの時間の感覚だと、1000年後の可能性もあるよな』


「あぁ」



石の石像たちは、庭園を走り回る事1日。


やっとあゆみとバイカルの事に気づいた石像たちが、近づいてきた。



「皆の衆、付いてまいれ」


と、石像に言われて、あゆみとバイカルは、苔と同化している苔玉ちゃんを置いて、地下神殿に向かった。



『苔玉ちゃん、気持ちよさそうだな』


「そうだね」




つづく






☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆







【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。


【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。



【黒猫と白猫】人類と一緒にやってきた猫


【獅子の様な石像】石で出来た生命体?



【苔玉さま】苔の知的生命体



【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド


【デューカ】ソフィーの相方




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