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『遠い星の話』  作者: 五木史人
9章 不確実な記憶の世界で
173/251

12話 苔玉ちゃんにじっと見つめられた。



苔玉ちゃんは、ゆっくりとあゆみに歩み寄って来た。



どちらかと言うとせっかちな機械猫にとって、その速度はひと眠り出来そうな程ゆっくりとしていた。時間の感覚が違うのだろう。



歩み寄る途中、苔玉ちゃんは急にしゃがんで、地面の石を見つめた。


「わぁ~綺麗」


苔玉ちゃんは感動した。



『どこにでもありそうな石じぇね?』


感動する心を忘れた元白虎は言った。



「確かにどこにでもありそうな石だ」


もちろん感動する心を忘れた元人間の機械猫も言った。



苔玉ちゃんは拾った石を丁寧に元に戻して、やっとあゆみの前にやってきた。



あゆみは、苔玉ちゃんにじっと見つめられた。


吸い込まれるような緑色の宝石のような瞳をしていた。


人工物ではないその天然の美しさに、あゆみは感激した。



どのくらい見つめれていただろう・・・・



はっ!しまった寝落ちしてしまった!


まさかの見つめられながら、寝落ちとは!


幾ら時間の感覚が違うと言え!



起きたあゆみに気づくと、苔玉ちゃんは話し始めた。



「ぼくはね、盆栽の苔玉を始めて見た時、こんなに苔を愛している生命体がいることに、感激したんだ。だからね、ぼくは苔を代表する立場として、人類との異生物間同盟を結ぶことにしたんだ」



「異生物間同盟?」


疑問符を打つあゆみに、博識なバイカルが説明した。



『所謂、惑星間同盟の一種だな、ある程度の知的生命体同士で結ぶ同盟だ。


確か内容は様々で、ただの仲良し同盟から安全保障同盟まである』



「そう、ぼくと人類は、5000年前に安全保障同盟を結んだんだ」


「苔と安全保障同盟?」



あゆみにはイマイチ理解出来なかったが、苔玉ちゃんが知的生命体である以上、それは成立するか。



「そして、あの惑星で人類は滅亡をし始めた。残念ながらぼくの力では、その滅亡を防ぐ事は出来なかったんだ」



『まあ、それは人類の問題だからな』





つづく





☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆





【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。


【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。



【黒猫と白猫】人類と一緒にやってきた猫


【獅子の様な石像】石で出来た生命体?


【苔玉さま】苔の知的生命体




【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド


【デューカ】ソフィーの相方


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