8話 黒曜石のモノリス
あゆみとバイカルは、地下に置き去りに去れたらしい。
地下の洞窟は、酸素があり、密封された大きな空間なのだろう。
『人類時代は鉄鉱石の鉱山惑星だったが、公転が極端な楕円の為、2000年前に閉山された』
バイカルは、誰かが置いて行った準惑星の取扱い説明書を読んだ。
「公転が極端な楕円で閉山?」
『あれじゃね、公転で太陽系の外側に行きすぎちゃって、鉄鉱石を運ぶ費用が高くなって、採算が取れなくなって、放棄されたんじゃね』
「それで2000年ぶりに近づいてきたって訳か?」
『そうだな』
「2000年ぶりに参上って事ね」
地下空間は、まるで神殿の様に神々しさすらあった。
「この神殿は、放棄後に誰かが作り直したのか?」
『それについては、書いてないな』
「これだから秘密結社は」
神殿の様な大理石の未知の空間は、冒険心をかき立てさせた。
「奥に行って見ようぜ♪」
あゆみは飛び跳ねながら歩いた。
子猫の様に飛び跳ねるあゆみと違って、バイカルは思慮深い考古学者のように静かに歩いた。
『それにしても、大理石の損傷が見られないのは、密封されていた為か?』
バイカルの考古学者の様な言動に、
「お前、そんなキャラだった?」
『古い物は興味がある』
「動物園育ちなのに?」
『我が動物園の隣に博物館が会った、きっとそのせいだろう』
意味は解らないが、きっとそうなのだろう。
神殿の奥に行くと、モノリスが、高層ビルの様に聳え立っていた。
『このモノリスは黒曜石かな』
「何か意味があるのか?」
『これは・・・ある種の墓』
「墓?墓ってって何だっけ?」
『う~ん・・・要するに人が生きていた記念碑かな。
死から離れた存在と化した我らみたいな機械は、忘れてしまった存在だ』
「そう言えば・・人類時代、そんな物が逢ったような気がするな」
『ん?!』
「どうした?」
『この黒曜石の中には、魂が保存されている』
「魂って?」
『人が生まれる為には魂が必要で、人が死ぬと言う事は魂が抜けると言う事』
「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、でっ俺たちの中には魂は?」
『ない』
「だよな~なんか切ないよな~」
『しかし、このモノリスの圧迫感は、魂の圧迫感なのだろうか?』
「圧迫感?別に感じないけど」
『だな』
「感じないんかい!いい加減な考古学者め!」
『動物園の隣に博物館があった程度だし、そんなもんだ』
つづく
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機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。
機械のネズミ
【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。
【ペガサス号】アルバムさんの大切な乗り物。
人型アンドロイド
【砂糖さん】シュガーコート177。あゆみとバイカルが買ったアンドロイド。
【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。
【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド
【デューカ】ソフィーの相方
【猫】黒猫と白猫