4話 可愛く言って見た。
厳戒態勢下の惑星政府は何を怯えているのだろう?
海に向かう途中、幾つかの検問所があった。
検問の警備兵が、シュガーコート型の砂糖さんを一瞥した。
明らかに安物を見る目だ。
さらに機械猫のあゆみとバイカルを見た。
「にゃ」
あゆみは可愛く言って見た。それに続いてバイカルも
「がお」
と可愛く言って見た。さらに機械ネズミのアルバムさんも、
「ちゅ」
と可愛く言って見た。
完璧だ!
何千年たとうが、何億光年の違いがあろうと、可愛いは正義なのだ!
機械猫と機械ネズミは満足した!
警備兵は証明書類を見ながら
「旅行ですか?」
と形式的な質問をした。
すでに怪しんでる様子はない。
安物感と可愛いペットは、秘密結社としては最適な機体だろう。
あゆみは実感した。
質問された砂糖さんは、
「おう、猫ちゃんを探しに来た!」
って!
砂糖さん!
任務内容をぺらぺらと!
ポンコツすぎないか?
あゆみは焦った。
警備兵は、民間は楽しげで良いよなって目をした。
大丈夫か?
砂糖さんは続けた。
「あたいはね、人類の件であの猫が重要な鍵だと言う情報を持っていんだ」
おい!何を言い出すんだ?バグ?バグなのか?
バージョンアップ後の想定外のバグかも?
キャラの性別を決めたらしい砂糖さんはさらに、
「知りたいかい?あたいの持っている情報を?
あたいはね、あのサインの情報だって知ってるんだから!」
完全にバグった!あの外部記憶装置のせいか?
どうしよう?
あゆみはバイカルとアルバムさんに視線を送った。
「サインだって?」
と警備兵はその言葉に反応したが、呆れたように、
「陰謀論に付き合ってる暇はないんだ。さあさっさと行ってください」
陰謀論?
助かった?
最安値のポンコツアンドロイドの言動なんて、そんなものか。
検問を抜けた車は、首都の街並みを抜け、草原の道を走り出した。
広々とした草原の景色は、機械の心も清々しい気持ちにさせた。
つづく
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機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。
機械のネズミ
【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。
【ペガサス号】アルバムさんの大切な乗り物。
人型アンドロイド
【砂糖さん】シュガーコート177。あゆみとバイカルが買ったアンドロイド。
【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。
【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド
【デューカ】ソフィーの相方
【猫】黒猫と白猫