20話 にゃにゃ~にゃん(ソフィーちゃん)
「にゃにゃ~にゃん(ソフィーちゃん)」
衝動的にあゆみは、ソフィーの元に駆け寄った。
機械猫はナデナデされたいのだ。
「可愛い!」
ソフィーはそう言うと、あゆみを抱き上げてくれた。
「にゃにゃにゃにゃ(しあわせ)」
「どこかから逃げ出して来たのかな」
「さあな」
無愛想なデューカと呼ばれるアンドロイドは言った。
「にゃにゃにゃにゃ(やな感じ)」
その時だ!
「デューカ見て見て、白虎だよ!」
白虎のバイカルもナデナデされようと、近づいてきた!
結果、あゆみは路上に置かれ、ソフィーは白虎のバイカルをギュッとした。
「にゃにゃにゃにゃ(なんだよお前)」
白虎のバイカルは、虎らしく低い声で「ガウ」と虎を演じた。
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ(それでも密林の王、虎か?)」
「お前、良くしゃべるな」
デューカはそう言うとあゆみを撫でた。
「触るな!デューカは」
「あれお前喋った?そんで、なんで俺の名前を?」
「気の性にゃ」
「気の性か、そうだよな猫が喋る訳ないし」
「にゃ」
「『にゃ』じゃねーよ!ソフィーこいつら変だぜ!」
「逃げるぞ、虎!」
『えーまだナデナデされたい!』
って目をしたバイカルだが、仕方なくあゆみと一緒に駆けだした。
☆彡
シュガーコート001は呟いた。
「こんなに波って高いんだ」
初めて見る海は、とても荒れていた。
シュガーコート001の隣で、白猫と黒猫に着けられた鈴が、神秘的な音を鳴らしていた。
この件で、シュガーコート001が知っている事は、その鈴が重要なカギであるって事だけだ。
その鈴の音に誘われて、海にはイルカが集まりだしていた。
8章 5000年前からの贈り物 完
9章へ つづく
機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。
機械のネズミ
【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。
人型アンドロイド
【砂糖さん】シュガーコート177。あゆみとバイカルが買ったアンドロイド。
【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。
【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド
【デューカ】ソフィーの相方
【猫】黒猫と白猫