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『遠い星の話』  作者: 五木史人
1章 黄昏の始まり
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16話 少女の微笑み

【人類に似た生命体が降り立った宇宙港】



人類に似た生命体の宇宙船警備に当たっていた


特殊警備兵1016小隊の異変に、


管制塔が気付いたのは背後から銃を突きつけられた後だった。



「この宇宙港は我々が占拠した。」


隊長らしき特殊機械兵が、 軽い口調で言った。



宇宙港が占拠された情報は、すぐに評議会議長の下へもたらされた。



報告を聞いた議長は

「特殊機械兵1016小隊か・・・。」

と言ったきり考え込んだ。



特殊機械兵アローンは、一般的な機械兵と違い、


人工知能を搭載していないタイプの機械兵で、


独自の判断で動くことはまず考えられなかった。



考え込んでいる議長に代わり秘書が、警察省幹部・エンケルに問いかけた。



「何か要求してきました?」



緊急事態とは思えない柔らかな表情の美少女アンドロイド型秘書に、


警察省幹部・エンケルは、気が緩みそうになった。



しかし、最高権力者評議会議長の前で、


その緩みは記憶の完全削除の危険をはらんでいた。



気を引き締めなおしたエンケルは

「いえ、今のところは何も要求は伝えられておりません。

いかが致しましょう?」

と評議会議長の命令を仰いだ。



考え込む議長に代わり、また美少女アンドロイド型秘書が、


微かな微笑みを浮かべながら対応した。



「警備に出ていない特殊機械兵はありますか?」



美少女型アンドロイドの、その微笑みは、


エンケルの人類だったころの記憶を呼び覚ました。



人類滅亡当時、人々は自身の継続性を求めて、機械化していった。


当時、少年だったエンケルが付き合っていた少女は


自らの機械化を拒否し


「私は人として滅ぶ道を選ぶよ」


と言って微笑んだ。



その微笑みとまったく同じ種類の微笑みを、


目の前の美少女型アンドロイドはしていたのだ。



とても儚げな微笑み・・・





もちろん最高権力者の前で、そんな想いに浸っていては、


記憶の完全削除への道が開かれてしまう。



再び気を取り直してエンケルは答えた。



「はい、本部に故障した機械兵が、あるとは思います。」




エンケルをからかうのを止めたのか、


秘書は微笑みを消し厳しい表情を作って



「今すぐそれを解体して、徹底的に調べて。


それまで鎮圧部隊は待機。下手に動かさないで」



と命じると秘書は、議長と目を合わせた。



つづく


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