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『遠い星の話』  作者: 五木史人
8章 5000年前からの贈り物
158/251

17話 そして猫は海に向かった。



自分の名前は忘れてしまったが、機械ネズミの情報網は素晴らしかった。


政府の動きは、ほぼ把握していた。



サイン。


コサイン。


タンジェント。



秘密の組織は3っつに分かれていた。


お互いその存在すら知らされてはいなかったのに、この自分の名前も忘れた機械のネズミは知っているのだ。



見た目や経歴など、なんの役にも立たない事を、思い知らされる。




「そんな極秘事項を、俺らに話しても大丈夫なのか?」


あゆみは聞いた。機械ネズミは、


「お前らみたいな、いい加減なペットの機械猫の言う事なんて誰も信じない」


『とんだ言われ様だぜ』


バイカルはお怒りだ。


『お怒りならもっと大きな声で言えよ』


『無理、俺、生まれも育ちも動物園で育ちが良いんだ』



それを育ちが良いと言うのか不明だが、バイカルは育ちが良さそうな性格ではある。




機械ネズミが手に入れた目撃情報により、人類の宇宙船から逃げ出した2匹の猫は、海に向かったらしい。



海=塩害。



機械であるアンドロイドに取って、あまり行きたくはない場所だ。


あゆみとバイカルは、地上に上がり、砂糖さんと共にレンタカーを借りて、海に向かった。




          ☆彡




地上の生命が絶滅したが、海の中は絶滅を避けらえれた。


当時はなんらかの影響は受けたらしいが、今は持ち直した。



その海岸線はアンドロイド社会から遠く離れた場所にあった。



この惑星でもっとも生命を感じることが出来る趣味は、釣りだと、そのアンドロイドは考えていた。



そのアンドロイドの機種名はシュガーコート001。


シュガーコートシリーズの中では、もっともレアな機種だ。


レアだからと言って価値がある訳ではないのだが、彼女にとってはそれが誇りである事には変わりはなかった。



今アンドロイド社会では、宇宙船から逃げ出した猫が話題を独占していた。


だからと言って、こんな社会から外れた海岸線まで来る者はいなかった。



アンドロイドのインフラと繋がっていたい欲求は、人類との比ではないのだ。



「にゃあ」


歩き疲れたであろう2匹の猫が、近寄ってきた。


シュガーコート001は、まさか本当に来るとは思わなかった。



「生存本能の一種かな、生きてるって素晴らしいね」



シュガーコート001は、今さっき釣れた鰯を猫に差し出した。




つづく




読んで頂き、ありがとうございます。



毎週、土曜日更新です(σ⁎˃ᴗ˂⁎)σண♡*(ღ*ˇᴗˇ*)。o♡ウットリ♡




機械の猫たち


【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。

【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。



機械のネズミ


【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。



【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。

【猫】黒猫と白猫


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