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『遠い星の話』  作者: 五木史人
8章 5000年前からの贈り物
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11話 俺たち5000年の付き合いだよな!

スペースシャトル型の宇宙船に乗り込むと、カラカル機械猫のあゆみは、人型アンドロイドを起動させた。

人類滅亡前は人だったが、機械の猫として生きることを選んだのが機械猫だ。

ただペットとして世を忍んでいるので、ペットだけでは、惑星への入星が出来ない。


この人型アンドロイドは、新機種と呼ばれる機種で、人類の記憶を保持していないし、人工知能のレベルも低く抑えている機種だ。


その人型アンドロイドを起動させると、機械白虎のバイカルは雄叫びを上げた。

そして、人型アンドロイドを激しく威嚇しはじめた。


これが何を意味するのかは解らない。

いや意味などないのかも知れない。


さらに普段は小声で静かに話すのに、雄叫びは大音量だ。

猫なんて気まぐれな生き物だ。気にしてもしょうがない。


人型アンドロイドの機種名は、シュガーコート177。

我々は砂糖さんと呼んでいる。


砂糖さんは無表情でコックピットに座って、宇宙船を操作した。

どう対処すれば良いのか解らないのだろう。

お求めやすいお値段のアンドロイドなので、大体無表情だ。


機械白虎のバイカルは、雄叫び疲れたのか、カラカル機械猫のあゆみの隣に座った。


「実はな、俺、5000年来の心の友のお前に言ってなかった事がある」

白虎はいつもと違いちょっと大きな声で言った。

雄叫び後はちょっと声が大きい。


「何?」

「俺な、実は白虎なんだ」

「知ってる」

「そうじゃなくて、俺は人間じゃないんだ」

「知ってる、白虎だろ」

「お前は、昔人間だっただろ」

「ああ」

「俺はな、白虎だったんだ」

「・・・」

「俺はな、5000年前、白虎だったんだ」

「えっ?」

「5000年前、白虎だった俺はな、アンドロイド化の過程で知能を上げ、今のしゃべれる機械の白虎になったんだ」


そんな話は聞いた事がない。

しかし人間のアンドロイド化が可能なら、虎のアンドロイド化も可能なのか?


「なぜ今まで黙ってた?俺たち5000年の付き合いだよな!」

「驚いたか?」

「そりゃ親友が実は虎だったなんて、驚くだろう!」

「ごめんよ。いつか言おうと思ってたんだが、月日は流れ」

「流れ過ぎだろう」

「今、本物の猫が現れた以上、俺は真実を告げたくなったんだ」

「なぜ?」

「俺、猫語が喋れるんだ」

「マジか」

「そんな俺が思うに、人類が連れてきた猫は、答えの鍵だと思う」

「ほう」



つづく



機械の猫たち


【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。

【白虎のバイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。元々は白虎。



人類たち


【沙羅】この惑星に漂流してきた人類の少女14歳。錬の兄が好き♪

【錬】ゲーム好きな人類の少年13歳。

【知佳】躍るのが好きな12歳の少女


【黒猫】【白猫】人類の宇宙船から逃げ出した猫。

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