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『遠い星の話』  作者: 五木史人
8章 5000年前からの贈り物
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8話 カラカル機械猫は甘えたい!

機械の猫にとってそのモノリスは、高層ビルの様に聳え立っていた。



人型のアンドロイドは【墓】の定義が何だったのか覚えていない。


ほぼ【死】が消えた世界では当然だろう。



人型アンドロイド世界での【死】は【無】を意味する。



何らかの理由で【無】に帰したアンドロイドの存在を、人型アンドロイドは忘れていく。記憶力は生身の人間より強固なはずなのに。



でも機械猫たちは、このモノリスの中に【魂】が保存されていたから、【墓】の意味も知っていたし【墓】から【死】を連想出来た。



【魂】の定義が何なのかは、機械猫のあゆみには解らないが、絶対死守しなくてはいけない存在らしい。



まあ、そんな事を言われても、意味不明なのだが。



耳がピーンと伸びたカラカル機械猫のあゆみは、宇宙港の管制室に入った。


管制室のスクリーンには、人類の様子が映し出されていた。



宇宙船の制圧は完了したらしい。



管制室には、機械猫と言うか、機械白虎のバイカルさんが、ドーンと座っていた。


虎も、一応ネコ科と言う事で、ありなのだ。



管制官は大体虎型アンドロイドだ。


管制官仕様に、記憶装置は処理速度が早めてあるのだ。


結果、大型化したのだ。



「人類はどう?」


あゆみが聞くと白虎バイカルさんは、ぼそぼそと何かを呟いた。



こいつ白虎のくせに、人見知りで印象も暗い。



「えっ何?」


機械のカラカルの猫のあゆみは、耳をピーンと伸びばした。


白虎バイカルは、またぼそぼそと何かを呟いた。


耳をビーンと伸ばしたのに聞こえなかった。



あゆみは再び、


「何?」


と聞くと、白虎は怯えたのか管制室の隅に逃げてしまった。


「それでも君は機械白虎かい?」



機械の白虎は、通信機器無しでは話せないのだ。


まあ管制官としてはそれで問題はない。



スクリーン上に、人類の沙羅が映し出された。



「にゃは!」


カラカル機械猫のあゆみは、ニヤリとした。


「甘えたい!めっちゃ甘えたい!我は人類に甘えたいんじゃー!」





つづく



【機械の猫】きっと重要な何かをしってるはず。


【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。

【白虎のバイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。宇宙港管制官。




人類たち



【沙羅】この惑星に漂流してきた人類の少女14歳。錬の兄が好き♪

【錬】ゲーム好きな人類の少年13歳。

【知佳】躍るのが好きな12歳の少女

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