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『遠い星の話』  作者: 五木史人
7章 電光石火作戦
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19話 記憶を持たない機械の群れ

『首都・評議会議長室』



評議会議長のタブレット上の報告書で、情報喪失に関する報告が上がっていた。

幾つかはバックアップも含めて喪失していた。


幾つかのミスが重なって、バックアップも含めての喪失も起こるのは仕方がない。

情報管理官そのものが、バグることだってある。



>しかし、多いな。



評議会議長は、過去を何も知らない文明を想像した。

記憶を持たない機械の群れ。

もしかすると、生きるためのプログラムも喪失してしまうかもしれない。

ソフトウェアを喪失したハードウェアは、ただの人形だ。


議長は、自らの手を動かし、自身の存在を確認した。


>この文明はそんな脆くはないか。




スクリーンに、宇宙機動軍司令官は直立不動の姿勢が映し出された。


「朱雀方面宇宙軍司令部から、

【人類を乗せた宇宙船が、3機のパトロール艇を撃破後、惑星ユピテルに降下】

と情報が入りました」



「ユピテルか」


惑星ユピテルに関する情報もかなりの数が喪失していた。


>意図的に消された?


>しかし、人類め、自らの持つ攻撃性を隠し切れなかったと見える。

>自らの文明すら滅ぼしてしまったあの攻撃性を・・・

>野蛮な種族め。



続いて、外務相が映り同じく直立不動で報告を開始した。


「竜族側は『人類は政治亡命者ではなく、竜族数百名を殺害した犯罪者であり、犯罪者として引渡しを要求する。』と正式な外交文書を通じて要求してきました」



映像が消えると、議長は気持ちを切り替えた。


「人類と言い竜族といい、どっちもどっちだがな、ああいう有機的な生き物は」


議長は5000年前、人として生きていた頃に、愛していた人に似せて作られた主席秘書官リサの姿をじっと見つめた。リサは、あの頃と変わらない清ました表情で議長を見つめた。





『惑星ユピテル・人類の宇宙船内』



空洞内の何かが、人類を確認したのかも知れない。


洞窟の穴は塞がり、アンドロイド宇宙船の追手を遮断した。

沙羅と錬と知佳は、同時に笑顔になった。





つづく






人類たち


【沙羅】この惑星に漂流してきた人類の少女14歳。錬の兄が好き♪

【錬】ゲーム好きな人類の少年13歳。

【知佳】躍るのが好きな12歳の少女



【ソフィー】アローン兵と唯一リンクするアンドロイド

【デューカ】ソフィーと同じ職場で働いていた同僚


【参謀1号】ソフィーに忠誠を尽くす参謀タイプのアローン兵

【参謀2号】参謀1号の予備


機械兵には禁止されている人工知能を、獲得しつつある。


【タムラ】鉱物資源企業団公社のナンバー2



【評議会議長】 人類及びアンドロイド内の人類の記憶を消そうと企む

【リサ】    議長の思い出の人に似せたアンドロイド・主席秘書官


  



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