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『遠い星の話』  作者: 五木史人
7章 電光石火作戦
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4話 初めての水路

『首都郊外・地下鉄遺跡』


(優先順位2)は、アローン兵と自分自身のプログラムに微かな異変を感じながらも、アローン兵を水の音がする方角へ足を進めさせた。


すでに半開きになっているシェルターの重々しい扉を開けると、暗闇の中から川の流れが聞こえてきた。


頭部ライトを点けると、暗闇の中を水が流れているのを確認できた。


「人類が使っていた首都の下水道?」


5000年の時の流れが、下水道独特の腐臭を取り除き、下水道の水路は澄み切っていた。


暗闇の水の中を泳ぐ魚の気配を感じた。


使われなくなった下水道の水路のどこかが破損し、どこかで川の流れと合流しているのかも知れない。


水路の幅は10メートルはあり、川と言ってもおかしくは規模だった。


「下流にこの焦りと苛つきの源がある・・・」


(優先順位2)の、思考回路に直感に似た感覚が浮かんだ。


直感と言う思考方法自体、参謀兵タイプにも一般兵タイプにも存在し無いのだが。


「要は『ランダム』と言ったところか・・・あの(優先順位1)なら『不確定要素が多過ぎます』とか言って、否定するに違いない」(優先順位2)は思った。


参謀兵タイプの思考回路は、同じプログラムと記憶を搭載していても、あえて別の結論を導き出せるよう作られている。


「個体差の違い・・・これを個性と言うのか?」


(優先順位2)は、アローン兵を川に飛び込ませ、下流に向かわせることにした。


アローン兵は、迷う事無く川に飛び込んだ。


川は思うより深く水深は3メートル以上あり、陸上用に作られたアローン兵は、水の流れのまま下流に流されて行った。


残念な事に、水を泳ぐと言う行為を(優先順位2)も、当事者のアローン兵は知らなかった。




つづく


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日更新でございます。ヾ(*゜∀゜*)ノキャッキャッ♪


【予備の参謀兵タイプのアローン兵(優先順位2)】

青い視野レンズの参謀兵(優先順位1)の予備のアローン兵


プログラム上(優先順位1)の命令には、逆らえない仕様になっている。

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