表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『遠い星の話』  作者: 五木史人
7章 電光石火作戦
122/251

1話 電光石火作戦発動

『評議会・人類対策委員会』




評議会議長は嘲笑いを浮かべながら、自分に対する弾劾を聞いていた。



委員会の席上で教会から派遣された神父が、


「我々を創造し、そして、この星の真の主・・・人類に対する侮辱は、


我々教会及び信徒に対する侮辱と同義である。」


と、評議会と評議会議長を弾劾した。



議長席を見上げる神父と視線があった。

堅物が好きそうな堅物の容姿をしている。


人類擁護派の生き残りの、決して利では動かないタイプだ。


強大な権力を行使すれば、こういう堅物の連中を潰すのは簡単だが、その反動を考えれば得策ではない。


愚民が納得する大義が必要だ。

愚民を搖動し、愚民に潰させる。



自らにその反動を向かわせない手は幾らでもある。




議長の主席秘書官のリサが、耳元で囁くように言った。


「アントンの管理官から電文です」


好みの容姿に好みの声質のアンドロイドの秘書官の存在は、議長の思考を鋭利な者へと誘ってくれる。



小さなメモには伝言の文字が書かれていた。


【警備兵を粉砕し、人類がアントンから逃亡。レッドイーグルが手引きした可能性あり】


その内容は、議長の嘲笑いを狂喜の表情に変えた。


議長は立ち上がると、自らを弾劾している最中の神父を見下ろした。


「今、入ったアントンからの緊急電文によると、あの人類似た生命体は我が宇宙ステーション・アントンを強襲!

警備兵数機を粉砕し逃亡した!

この行為は我々文明社会・・・・もちろん、あなた方教会及び信徒に対する敵対行為である。

我々惑星評議会は、この星のアンドロイド及び、偉大なる人類が残したこの文明と惑星を守る義務を遂行するため

あの人類に似た生命体を撃滅をする」


と高々に言うと、評議会には大きなどよめきが起こった。


目に見えない空虚に満ちた陰謀より、目に見える事実による陰謀の方が、嘘を着く必要がないぶん心地がよい。


議長はどよめきの中、強い口調で言った。


「評議会議長として、そのための決議案を提出する!」



独裁者と言えるほどの権力をもってはいるが、半永久的に権力を保持する為には、この種の手続きは重要だ。






つづく 


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日更新でございます。ヾ(*゜∀゜*)ノキャッキャッ♪



【惑星評議会議長】 この太陽系に置ける最高責任者

【リサ】議長の主席秘書官   


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ