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『遠い星の話』  作者: 五木史人
6章 少女の生真面目さと・・・
119/251

18話 モブからメインに

それは、暗闇の中で、映画でも見ているような気持だった。

すべての出来事が、他人事だった。

他人事として、敵を潰し、記憶を消し去ってきた。

すべて他人事として。


畏怖され、そして蔑まれた最強のアローン兵たちと共に。


でも、自我すらない思考回路のどこかで、ずっと思っていた。


アローン兵・・・君たちは仲間だって。




参謀兵(優先順位2)は機械兵から、参謀兵モードに切り替えられ、疑似の自我意識を確立させた。(優先順位2)にとって初めての経験だ。


製造以来初めて(優先順位2)は、モブからメインになったのだ!


(優先順位1)から(優先順位2)に記憶が送られてきた。


新しい記憶が大量に思考回路に入ってくる感覚が、心地よかった。

突如、思考回路の中に新しい世界が訪れて来た!と言っても過言ではない。


人類なら、心臓が高鳴ったに違いない。


思考回路上の幾つものドアが開かれ、いくつもの記憶情報や思考と繋がって行く。


そして入ってきた情報が、まるで自分の物として認識されていく。


人類なら、頬を緩めたに違いない。


操り人形から、操る側に回ると言うのは、責任が伴うらしい。

思考回路上にその責任感が確立された。



>ヽ(*^^*)ノ


モブからメインに成ったからなのか、機械の身体に力がみなぎってくる気がした。



>ヽ(*^^*)ノ



参謀(優先順位2)は、機械にも心地が良い感覚があるのだと思った。




青い視野レンズの参謀兵(優先順位1)は、予備の参謀兵タイプの参謀(優先順位2)を一目だけ見ると


「やれやれ・・・」とでも言いそうな目をしながら、地下鉄遺跡の構内を歩いて、地上へ出る階段に向かって行った。


予備の参謀兵(優先順位2)は、その様子を何も声をかける事無く見送った。

その様子は、言葉が無くとも意志が通じ合う同士の様に見えなくも無かった。


予備の参謀兵(優先順位2)は、自らにコピー転送された(優先順位1)のプログラムと記憶の最適化を行なった。



新たに入った記憶が徐々に鮮明になって行く。




その記憶の中には、ソフィー及び人類に関する記憶も含まれていた。


(優先順位2)はその中に、(優先順位1)のソフィーに対する感情に近いタイプの記憶情報を確認した。


>ヽ(*^^*)ノ



(優先順位1)は、その件を嘲笑うかのように


「機械に過ぎない我々に感情など・・・・」


と思考回路上で呟いていたが、(優先順位2)の思考回路上の疑似自我は高鳴った。



>ヽ(*^^*)ノ



思考回路上では(優先順位1)とリンクしていたから、その思考は(優先順位1)に伝わったはずだ。



>やれやれ・・・


優先順位1は、そう反応した。



>やれやれ


優先順位2は繰り返した。



そして、自らの配下となったアローン兵5000機を見渡した。


同じ時代に同じ戦場を駆け抜けた自らの仲間を。



(優先順位2)はプログラムと記憶に添付されていた命令プログラムに従い、アローン兵を地下鉄遺跡細部の調査に向かわせた。





つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日に更新です O(≧∇≦)O イエイ!!





【アンドロイド】


★青い視野レンズの参謀兵(優先順位1)


★参謀兵(優先順位2)

青い視野レンズの参謀兵の予備タイプ

初めての参謀タイプを体験する





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