17話 【恋】に関する情報は皆無だったのだが。
『地下鉄遺跡』
青い視野レンズの参謀(優先順位1)は、アローン兵5000機を地下鉄駅構内に収容すると、予備の参謀兵タイプ(優先順位2)に、自らの記憶とプログラムをコピー転送した。
青い視野レンズの参謀(優先順位1)は、自らのコピーに
「後は任せた」
と言葉をかける事も無く、さっきまでソフィーが座っていたオープンカフェ仕様の椅子に腰掛けた。
でも、ソフィーの様に優雅には振る舞えなかった。
その事についてちょっと思考した後、参謀は、ソフィーが出した『人類の欠落した記憶捜索命令』遂行の作戦行動を思考し始めた。
>ソフィー様、不確定要素が多すぎます。
参謀は思考した。
惑星内治安維持及び、その戦闘用に作られたアローン兵には、世間一般常識とそれに伴う機能が備わっていなかった。
どんな凶暴な敵に対しても、何ひるむ事無く対処してきたアローン兵だったか、今回の命令には一考どころか二考三考が必要だった。
>ソフィー様、不確定要素が多すぎます。
参謀は思考した。
地下鉄遺跡構内の廃墟には、5000機の殺戮兵器が静かに佇んでる中、風が小さな物音を立てたらしい。
>ソフィー様が戻ってきた?
参謀は主のソフィーの姿を探した。
その姿は、遠い昔、人類が生きていた頃に恋人を探す乙女に似ていた。
残念ながら参謀の思考回路には「恋」に関する情報は皆無だったのだが。
つづく
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【アンドロイド】
★青い視野レンズの参謀 アローン兵の参謀タイプ