表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『遠い星の話』  作者: 五木史人
6章 少女の生真面目さと・・・
116/251

15話 前者か後者か?アンドロイドは問う

『サマルカンド・鉱物資源企業団公社ビル』





「我々は補給とメンテナンス終了後、すぐにでも宇宙に出て人類に接触したい」


ソフィーは幹部達に要求を告げた。



専務理事タムラは、薄ら笑ったままソフィーを見据え、自分が立場が上で在ることを示しつつ、


「それは、前者か後者かと言ったら後者だな」



と。



>???


>この場合、何が前者で何が後者なのか?



その場に居るアンドロイドたちは、専務理事のタムラ以外、思考回路の奥で思考した。


その答えが出る前に、専務理事のタムラは、言葉を続けた。


「アローン兵とは言え、今は我々企業団配下の民兵に過ぎん。勝手な事をされてもらっては困る」



>思考エラーか?


>さっきのは、なかった事にする気が?



その場のアンドロイドたちは、そう結論付けた。



少しの静寂の後、デューカは言葉を発した。


「俺たちは、あんたらの配下になった憶えは無い」



「まあ、待て」


とコーリーがなだめた。



「俺たちは民兵の配下に入らないって条件でここに・・・」



「今宇宙に上がっても人類を乗せた宇宙船は、評議会の手中にある」



ソフィーは問いと同時に表情を曇らせた。

それはとても人類臭く、人類の母親が子供を心配するかの表情に見えた。


「どう言う事?」




「人類を乗せた宇宙船は、今、評議会管理下の宇宙ステーション・アントンに収容されている。今、行っても接触は不可能だ」


ソフィーとデューカは目を合わせた。



「まあその件は心配するな。私に通じる者がすでに人類奪回のために動き始めているはずだ」



「私に通じる者?」


公社の幹部も「?」としていた。



「おい、一体お前は、どこまで通じてんだ?内務省から反乱分子まで・・・」


デューカは呆れた。





『宇宙ステーション・アントン港内・人類を乗せた宇宙船』


沙羅はとうもろこしをあきらめない錬をホールドで固めたまま、宇宙船の窓から、騒がしくなった宇宙港内を見渡した。


宇宙船を警備していたレッドイーグル隊が、慌しく駆けて行くのが見えた。


沙羅の腕の中で錬の


「・・・苦じい・・・」


と声がした。



「そう人は生きているからこそ、苦しむのだ。

さあ人よ、苦しみて生を実感するのだ!」


レオタード姿の知佳は、芝居じみた言葉を言うと、足をくるりと回した。

沙羅はその動きを目で追った。

知佳の足が描く弧は、とても理知的に見え、その弧が自分たち人類の生き残りを導いてくれるような気がした。




つづく




いつも読んで頂き、ありがとうございます。

毎週、日曜日に更新です O(≧∇≦)O イエイ!!


登場アンドロイド

反乱軍・サイン・コサイン・タンジェント 


★ソフィー 反乱軍サインを引きるリーダー

★デューカ ソフィーの相方 無難な機関銃手


★コーリー博士 反乱の首謀者

★銀次     自称・コーリーの忠臣  


★アレム神父  反乱のきっかけを演説をした神父

★専務理事のタムラ 薄ら笑う公社幹部 公社の頭脳と自他ともに認められている。


【人類たち】


沙羅サラ14歳

★錬 (レン)13歳

知佳チカ12歳

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ