追放された翌日に王城の水が全部消滅!? 飲み水どころか心まで干上がった貴族たちが、些細なことで殺し合いを始める地獄絵図ざまぁ展開!
CWAVE の第一・第三日曜 21:30-22:00
「みちこの寄り道くまもと話」投稿テーマが「おつまみ」と言うことで、投稿原稿書いてるつもりがこんなストーリになりました。
ラジオで読んでいただくことが目的でもなく、自身の不思議な感覚といただいた「おつまみ」を組み合わせてみました。
ご丁寧にみちこさんが意見までいただいた。
御指摘いただくとは思ってもいませんでした。3遍のストーリを一つにまとめ、記念にアップしておくつもりなのが始まりです。
第4章 渇きの城、あるいは崩壊の序曲
一方、リュカを追放した王都、王城『グラン・パレ』。
この大陸でも屈指の美しさを誇る白亜の城で異変が起きたのは、リュカが城門を出て行ってから半日と経たない、翌朝のことだった。
「陛下! 大変でございます! 起きてください!」
豪奢な寝室に、近衛騎士団長が血相を変えて飛び込んできた。
天蓋付きの巨大なベッドから、新国王ジェラール二世が不機嫌そうに身を起こす。即位してまだ一ヶ月。先王の急死に伴い、若さと傲慢さを武器に王座についたばかりの男だ。
「……朝からやかましい。余の安眠を妨げる罪がどれほど重いか、その空っぽの頭でも理解できるだろう?」
「そ、それどころではございません! 水が……城内の水が出ないのです!」
「は? 水だと?」
ジェラールは眉をひそめ、サイドテーブルの水差しに手を伸ばした。
喉が張り付くように渇いていた。銀の水差しを傾ける。しかし、ポタリとも雫は落ちてこない。中を覗き込むと、底には乾いた赤茶色の砂がこびりついているだけだった。
「……どういうことだ。給仕係は何をしている。砂を飲ませる気か」
「給仕の問題ではありません! 井戸です! 城にある八つの井戸すべてが、一夜にして干上がったのです!」
騎士団長の報告は、悪夢の序章に過ぎなかった。
ジェラールが寝間着のままバルコニーに出ると、眼下に広がる光景に絶句した。
城の中庭にある大噴水――王家の繁栄の象徴とされ、尽きることなく水を噴き上げていたそれが、無様な石の塊と化して沈黙していたのだ。
それだけではない。城の裏手を流れる清流までもが、まるで巨大な何かに吸い上げられたかのように消え失せ、川底のヘドロが朝日に晒されていた。
「なんだこれは……昨晩までは普通に流れていただろうが!」
ジェラールが叫ぶと同時に、城内のあちこちから悲鳴と怒号が上がり始めた。
水がない。顔も洗えない、喉も潤せない。トイレの水すら流れないという現実は、プライドの高い貴族たちにとって、死刑宣告よりも屈辱的な事態だった。
だが、真に恐ろしい異変は「水不足」そのものではなかった。
水と共に、もっと重要な何かが――人々の心から失われていたのだ。
「おい、そこの下女! 私の靴の磨き方が甘いんじゃないか!?」
廊下の向こうで、着飾った貴婦人が若いメイドの髪を掴み、ヒステリックに叫んでいるのが見えた。
普段なら「あら、少し汚れているわね」という小言で済むような些細な汚れだ。だが今の彼女の形相は、まるで親の仇を見つけた鬼のように歪んでいる。
「も、申し訳ございません奥様! お許しを、お許しを!」
「許すものですか! この無能! 衛兵! この女の手首を切り落としなさい! 今すぐに!」
常軌を逸していた。寛容さが欠片もない。
さらに別の場所では、二人の大臣が書類の束で殴り合いを始めている。
「予算配分が気に入らんと言っただろうが!」
「黙れ老害! 貴様の髭を見るだけで反吐が出るんだよ!」
殴る、蹴る、髪をむしる。
理性的で知られる宮廷魔導師までもが、配給されたわずかな保存水を巡って、あろうことか見習い騎士に火球を放とうとしていた。
城内は、さながら地獄の窯の蓋が開いたようだった。
誰もがイライラし、不安に駆られ、些細な刺激で爆発しそうになっている。寛容さ、忍耐、優しさ――そういった人間関係を円滑にするための「心の潤滑油」が、水と共に蒸発してしまったかのように。
「……何が起きているのだ」
ジェラールは自身の胸の内にも、どす黒いマグマのような苛立ちが湧き上がってくるのを感じていた。
部下の顔を見るだけで腹が立つ。鳥のさえずりが耳障りで仕方がない。
喉が渇く。心が渇く。
何かが足りない。決定的な何かが。
ストーリーはどうでしたか?私の創作はまだまだ続くよ。
少しでも楽しんでいただけて、良い暇つぶしになっていたら嬉しいです!
実は、もっとみんなと作品についてお喋りしたくて、ミクチャで平日17時から19時くらいで配信をしてます。ただし、創作優先&リアル優先で、おやすみあり イベント目的じゃないからアイテムいらないよ
感想を聞かせてもらったり、創作の裏話をしたり……そんな双方向のやりとりができるのを楽しみにしています。
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ぜひ検索して覗きにきてくださいね。
それでは、また次のストーリーでお会いしましょう!




