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キスと魔法と××と~幼馴染みは両片想い!【嘘の魔法で7年間お預け状態。じれ甘恋物語】  作者: 静林


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エピローグ ~××と

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

その後の雫と駿のお話を載せて、エンドとさせていただきます。

 『クリスマスにERABLE HOTEL の最上階のバーラウンジでプロポーズをしたら100%成功する』


 今、テーブルの向こうに座っているのは、生まれた時からずっと一緒に育ってきた幼馴染みであり、恋人の雫だ。


 高等科卒業まで伸ばしていた前髪は、眉毛が隠れる長さに切られ、背中まであったストレートの黒髪は毛先にパーマがかけられている。

 大学生らしくメイクも上手くなった。


 今日はクリームイエローのカシミアのセーターにウールの膝丈タイトスカート。

 濃紺のスカートと黒のショートブーツの間の肌の色がひと際白く見える。


 一方の駿はブラックスーツでバシッと決めている。

 茶髪のセンター分けツーブロックの髪形は高等科から変わらない。

 今日は前髪がワックスで上げられ、少しワイルドさをプラスした雰囲気を醸し出している。


 ウエイターがシャンパンを注ぎに来た。


「今日は運転しないから飲めるね」


 雫は、テーブルに置かれたルームキーにチラッと視線を向けた。


 大学は当初希望したところではなく、通学圏内にある都内の私立大学で、「毎朝一緒」に登校しているのだ。


 雫は薬学部で、駿は工学部。

 来春卒業の駿は大学院には進まず、卒業後久賀建設に勤めることが決まっていて、薬学部の雫はあと2年大学に通わなければいけない。


 高等科2年生のバレンタインの日にお互いの気持ちを伝えあって以来、他の異性が近寄る隙もないくらいアツアツである。


 雫と駿の両親もすっかり親戚としてのつき合いをしている。

 母親同士は自分たちが長年思い描いてきた夢が叶って、嬉しくて仕方がない様子だ。


 雫は、この日に、この場所を選んだ駿の思いを十分理解していた。


 目の前のシャンパングラスに注がれた炭酸の泡が、次々と水面に上がっていくのを「綺麗だね」と言って眺めている。


「夕べ、北原先輩からメールが届いたんだ」


 高等科では雫と大介が偽装恋人の関係でつき合っていて、そんな2人を横目で見ていた駿だった。

 それが、大介とリオが計画通り渡米してからは、雫よりも駿と大介が親友のようになっていた。

 現在、大介はアメリカの医学部に通い、リオは大学病院で医師として働いている。

 今日のことも大介には伝えてあり、「ちょっと早いけど、おめでとう」とメッセージを貰っていたのだ。


「先輩とリオさん、元気にしてるって?」

「うん。プレメディカルの4年をストレートで終えたから、次の4年のメディカルスクールに通えるって。順調みたいだよ」

「むこうは8年だから、わたしのほうが先に卒業ね」


 高等科の頃の話、そして大学での話を豪華なフレンチディナーを味わいながら振り返って語り合った。


 その食事も綺麗に平らげてテーブルの食器が片付けられてから、ERABLE HOTEL の50代くらいの副支配人が両手いっぱいの真っ赤な薔薇の花束を、そしてバーラウンジのパティシエが花火を灯したホールケーキを運んできた。


 真っ赤な薔薇の花束を駿が受け取り、テーブルにケーキがパチパチと火花を散らせながら置かれた。


 準備は整った。


 駿は雫に大きな花束を渡す。


「ありがとう」


 雫がバラの花束を受け取って、顔を埋めると胸いっぱいにその香りを吸い込む。

 それをたっぷり見てから、駿が雫の前に跪いた。


 薔薇の花束をテーブルに置くと、彼のひと言を期待して少々緊張する。


 駿が胸ポケットから小さなリングケースを取り出して、雫に向けてその蓋を開ける。


「大河内雫さん。オレと一緒にこれからも生きてください」


 キラキラ輝く2人の瞳が重なった。


「はい。ずっと、ずっと隣にいてください」


 雫が左手を差し出すと、駿がその薬指にすっと滑らせた。


「10歳の時、駿がかけた魔法は本物だったよ」

「えっ?」

「だって、あの時、わたしが願ったことはね…


『駿のお嫁さんになれますように』



          ー完ー


 46話という長い物語を、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

「キスと魔法と××と~幼馴染みは両片想い!」は、私にとって大切な挑戦の作品でした。

  登場人物たちが出会い、悩み、選んだ未来を、皆さまと共有できたことを心から嬉しく思います。

 この物語が、誰かの心に小さな灯りを残せていたなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。

  また次の物語でお会いできる日を楽しみにしています。


  本当にありがとうございました。


《ちょっと宣伝》今回の作品よりも少し大人の切なく甘い恋の物語「いつかの先に逢えるまで~神子様との同居は期間限定?」を全104話完結済みで公開してます。スッキリとハッピーエンドに仕上げてあります。覗いてくださると嬉しいです。


 静林

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