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読まれる事の無い日記

作者: 衣遊

世界を滅ぼしてしまいたいなぁ、なんて夜はないだろうか。

別にこれといった不満があるわけでもないし、世界を変えたいという大それた気持ちがあるわけでもない。

ただ少しだけ気分が上がらなくて、ほんのりどうでもよくなる、そんな夜だ。


そしてそんな時は考えるのだ――世界が滅ぶには、どうすればいいのかと。

大抵は核戦争だの、温暖化だの、小市民には手に余る現実離れした案しか出てこななくて、気づけば他のことに気を取られ、忘れていく。ありふれた日常の一部だ。


けれど今日は違った。思いついてしまったのだ。たった一人の私が、世界を滅ぼせてしまうその手段を。


今、どうしようもない衝動に駆られている。

ただの妄想を現実にする――そんな魔法が、頭の中にある。

別に本当に世界を滅ぼしたいわけじゃない。ただ、手にしてしまったこの杖を振るいたい。

そんな純粋な想いが、この夜を満たしている。とても強く、抗いがたい力だ。


だから最後に、救いがたくも愛おしく美しいこの世界に向けて、これを残すことにした。

誰かがこの投稿を目にしていることを祈る。

それは、この妄想が所詮妄想であったという証であり――世界にとっては、きっと良いことなのだから。



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