3/4
眠いまち
みんなあくびをしている
向かいのパン屋さんも その隣のお花屋さんも
ねむいねむいと目をこすっている
立ちながらいねむりしている人もいる
道端ではネコがすやすやとねむりに落ちている
いつでもどんなときでも このまちでは
みんなねむくなる
忘れている何かを思い出さない限り
目を覚ますことはできないのだ
あっというまに毎日が過ぎて
知らないうちにお日様とお別れする
そんな日々を繰り返すうちに
ねむくてたまらなくなっていく
今ならまだ間に合う
自分が自分であるうちに
どうか見失わないで
大切なものを見失わないで