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日日是好日

裏口を開けると、そこは鬱蒼とした草むらだった。

というか、もう目の前が山(?)になっていた。

生い茂る藪の向こうには、針葉樹が立ち並ぶ林。

そこから、盛大にひぐらしの声が聞こえる。


夏、だ。どうしようもなく、夏だ。

日差しを浴びて、じっとりと汗ばむ肌に、山から吹くひんやりとした風が心地よい。


振り返ると、いつもの我が家ではなく、古びた木造の家屋があった。

その開かれた扉の向こうには、いつものキッチンが見えた。

建物の外見と内装にギャップがあるが、これはこれで流行るかもしれない。わからんけど。


建物の右手には、細やかな音をさせながら流れる沢が見える。

その沢がある方から、建物の表側に出られそうだったので、ぐるりと回り込んでみる。


平屋の木造家屋。苔に侵蝕されてはいるが、朽ちてはいない。


周りを見ると、やはり山の中のようだった。

あたりには草の匂いがたちこめている。


表の玄関を開けると、土間になっていた。

右手に竈門があり、左手の上り框の向こうは、艶やかに磨かれた廊下がはしっていた。


白く張りのある障子を開けると、6畳程度の居間だった。

正直期待していたが、部屋の真ん中にはちゃんと囲炉裏が備えてある。


ふと入り口を振り返ってみると、玄関の上の梁に、お札のようなものが見えた。


大きな朱印の上に書かれた「日日是好日」の筆書きの下に、猫のような動物が描かれている。


言葉の意味はわかるが、これを貼ってある意味はよくわからない。


まあ、とりあえず、これから、そういう日々が続けばいいなぁ、と思いつつ、足元で丸まっていた三毛猫を抱え上げ、肉球の匂いを嗅いだ。

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