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つれづれな詩たち

紫陽花にくちづけを

作者: 風蘭

空から降り注ぐ雨を見上げる

静かに 冷たく

緩やかに奪われる熱を感じる

心の在りかを問おうとしても

泡のように浮かんで消える

言葉の冷ややかさにすくむ



それはあるいは曇天の月

それはあるいは雨に濡れる花

それはあるいはあなたの心

春の淡雪のように

跡形もなくて

ひび割れて砕けた想いだけが残る



空から降り注ぐ雨を見上げる

静かに 悲しく

緩やかに奪われる時を思う

添うことのない影を探しても

水煙に霞んで阻まれる

世界の不確かさにすくむ



それはあるいは欠け落ちた月

それはあるいは色褪せた紫陽花

それはあるいは私の心

夏の日の陽炎のように

存在もなくて

掴みかけたはずの想いさえも消える



願うことは間違いじゃない

望むことは間違いじゃない

何もかもが報われなくても

生きること自体が

あまりにも無情でも



失うことは罪じゃない

消え去ることは罰じゃない

叶わない事実だけがあふれて

否定されることばかりが積み重なって

息が出来ないほど

現実にすり潰されても



降りやまぬ雨に打たれて

紫陽花にくちづけを

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