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それは霧の向こうのような

「弟子ではなく、後輩です。あと、彼女の変装は組織でも恐らく並ぶ物のないレベルです。まず見破られることはありません」

「いやいやいや!一瞬で見破ってましたよ」

「あなたに変装技術を教えたのが私だから。後、あなたから殺気が感じられなかったこともある。何より、私はあそこから後を付けられるようなミスを一切していなかった」

「ほら、斎木さん。これですよ。もう知ってると思うけど、先輩メチャ自信家なんですよ」

「うるさい」

二人の会話を聞きながら私は曖昧な笑顔を浮かべていた。

何か・・・組織と言っても九国さんとかなりキャラが違うな。

和風美人の九国さんに対し、後輩という彼女はまるで西洋人形のようだったが、何よりその軽いノリは本当に驚かされる。

「でもあれですね、先輩は『九国里沙』って言ういい感じの名前があるし、私も斎木さんに呼んでもらう用に名前考えてもいいですか?先輩居ないとき、二人になるわけだし沢山コミュっておきたいんですよね」

「好きにしなさい」

「やった!じゃあ斎木さん、どんな名前がいいです?」

「えっ!・・・あの、特に何でも」

「それ一番困る奴ですよ。う~ん、どうしようかな・・・そうだ!先輩がナンバーナインで九国だから、私はサーティンと言うことでちょっと付け加えて『一二三ひふみ』ってのはどうです!」

「あ、はい・・・いいと思います」

「さて、名字はどうしよう・・・よし!私の好きな作家さんからとって『北大路きたおおじ 一二三ひふみ』で決定!」

「え・・・」

なんていう存在感のある名前・・・

「って言うか、好きな作家さんって・・・」

「あ、分かりました?そう!北大路魯山人から取ったんです。私、食べるの大好きで。あの人の食に関する作品は全て読んでます。特に鮎を食べるくだりは・・・」

「サーティン。そのくらいに。お嬢様はお魚があまりお好きではない」

「違います。ナンバーサーティンは死にました。ここに居る私は北大路一二三です。そっか、じゃあ斎木さん、私がちょっとづつお魚好きにしてあげますよ。お楽しみに。こう見えて料理も組織で自称ナンバーワンなんです。後、これから私のことは『ひふみちゃん』でいいですよ」

片手を頬に当てて、招き猫みたいにもう一方の手を手招きみたいにするのは癖なのか、何となくおばさん感を感じてしまうが、ともあれ悪い人じゃないみたいで安心だ。

ただ、やはり九国さんとの落差に頭がクラクラする・・・

「ではサーティン、お嬢様。今後の事をご説明します」

サーティ・・・じゃなく、一二三さんは明らかに不満そうに唇を尖らせたが、九国さんの「何か?」と言わんばかりの冷静な目に肩をすくめた。

「まず一番は『お嬢様の安全の確保』これは譲れません。次に『ラビットの抹殺』出来れば確保し情報を吐かせられれば良いのですが、それは限りなく難しいでしょう」

「あの・・・ちょっと現状を整理させて欲しいんだけど」

おずおずと手を上げた私に九国さんは優しく微笑んだ。

「はい、どうぞ。一からお話ししましょうか?」

「あ、ううん。私が話す。・・・つまり九国さんと一二三さんの組織の目的は『お父さんとお母さんの組織が行っている密売ルートの壊滅』これをどこかから依頼されているって事?」

「その通りです。どこからの依頼かはすいませんが・・・」

「目が飛び出るくらいの大物の依頼って事くらいかな」

「サーティン」

九国さんにジロリと睨まれた一二三さんは亀のように首を縮こまらせて「だから、ひふみちゃんって言ってくださいよ」とブツブツ小声で言っていた。

本当に同じ組織の人なのかな、と思いながら話しを続けた。

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