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それは赤い霹靂のような

 私は目の前の人の言っていることが理解できなかった。

ヤクブツ・・・

「あいつらはその組織のナンバー2と3。その存在を中々つかめなかったけど、我が組織がようやく尻尾を掴んだんだ。組織としてはそのネットワークを壊滅して、取って代わる・・・ついでにまるっとネットワークも頂ければなおよし。ただ、その情報のありかが分からなかったけど、ご両親を調べる中で『君が手がかりを持っている』と分かったんだ」

「そんなの・・・嘘!でたらめばかり。信じない!」

「そう言うと思ったから、そんな蒼ちゃんにこれを聞かせてあげるよ。君にはぜひ知ってもらいたい」

そう言うと雄大さんは小さな棒状の何かを取り出した。

あれは・・・

「そう。ボイスレコーダー。本来君に聞かせる予定は無かったんだけどね」

そう言うと雄大さんは再生ボタンを押した。


「う~ん、大丈夫かい?結構きつめの爆弾だったかな?」

声も無く呆然としている私に雄大さんは困ったような表情で言った。

流れてきた内容は、私にとって世界を一変させるような内容だった。

お父さんとお母さんの行っていた「本当の仕事」のやり取り。

そして、それによる被害者の数をまるで何かの売り上げのように事務的に話す口ぶり。

そして・・・私がネットワークの鍵である事を同じく事務的に話す声、声、声。

信じたくなかったが、私の脳はその事実を嫌になるくらい素直に受け入れていた。

だって、あの声は私が大好きな・・・心から大好きだったお父さんの声だったから。

「ゴメン、ゴメン。でも元はと言えば君が悪いんだよ」

「・・・お父さんと仲良くしてたのは嘘だったの?」

「もちろん。って言うかむしろ憎しみだね。僕は君たち一家を憎んでるよ。この手で滅茶苦茶にしてやりたいくらいに」

「何で・・・私たちが何をしたの?」

「僕には妹がいた。のんびり屋で不器用だけど優しくて無邪気で。僕らは小さい頃に事故で両親を亡くして、それ以来妹と僕は児童養護施設で支え合って生きてきた。色んな事が嫌になるときも、妹は僕を支えてくれた。彼女が僕の生きる目的だった。でも僕が10歳の頃。彼女は8歳か・・・ある春の日に施設の行事でハイキングに行った帰り道。一人の男が刃物を持って襲ってきた。運悪く一番後ろを歩いていた妹に。隣に居た僕は必死に守ろうとしたけどダメだった。即死だってさ。あっけない物だね。その一月後、僕は施設を飛び出して、それからはお決まりの犯罪グループに入った。僕はどうやら向いてたらしく、この世界で頭角を現し、今の組織にスカウトされてそこで・・・妹の一件の真実を知った」

雄大さんはそこまで言うと、私を冷ややかな目で一瞥した。

「妹を殺した男は薬物中毒者だった。しかもその男は君のご両親の部下だった。どうやらご両親の作ったネットワークのおこぼれをもらう内にああなったらしい。君の両親が居なければあんなネットワークも無かった。そして妹も死なずに済んだ。君にこの気持ちが分かる?・・・ああ、止めておこう。『分かる』なんて言われたら、僕は多分君をこの場で殺す。分かるわけ無い。血にまみれた死体の山の上に建てたお屋敷で、楽しく生きてきた君には」

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