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魔眼女とノーブル・ウィッチ  作者: 藤宮はな
おまけ
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おまけ3オルタナティヴって何ですか、ユーリ先生5

「そう。これだけ科学で土地開発だとか言ってね、色々世界が狭くなっていても、まだまだこの星にもズレとしての理解不能の世界であったり、人間が地図には描けない異界で、未知数の可能性が沢山あるのよ」


 ふむふむ。なるほど。

 何だか頷くしかない未体験の世界だ。


「何も知られない暗黒もあるってこと。大体さ、わたしみたいなノーブル・ウィッチだって、どうやって地球がそういう機構を作るのかちゃんと分かってないわよ」


 ああ、そうか。

 目の前にいるから、そう信じるだけよね。


「そうそう。ソラの魔眼だって、普通にリアリズムと呼ばれる現実原則だったら、絶対にあり得ないものよ。何もかもが因果関係や合理的説明がされると考える方が、あまりにも科学も軽視してるはずよ」


「そりゃあ、科学は蓋然性のものだしね。全部リアルに完全に説明出来る真実なんて、この世には何もないわよ。量子論の世界だったら、ミクロの世界は空間もゆらいでて、物質の全ての状態も観測するまでは決定出来ないっていうしね」


「ふーん・・・・・・?」


 あ、何だか分かってない顔だ。


 やっぱり科学だって言うから、ちょっとでも量子力学の話を、先生からかじった知識で言ったのはマズかったか。

 でもユーリが科学がどうとか言うから。


「と、とにかくね。ESP研究なんかも予算割いてやるほどには成果はないと思うけど、でも合理で中々説明出来ない現象は実際にあるよねって。

蛙が空から降って来たりさ」


「そうね。だから色々伝説や言い伝えは各地にあるのだもの。現代にも都市伝説だってあるんでしょ」


「ああ、バミューダトライアングルとかね。あれも一種の異界幻想と言えるかも」


 パンケーキは美味しいし、カフェオレも舌鼓を打ってしまうほどの甘さだけど、妙にこのオカルトじみたユーリとの会話を、私は生々しいリアルにしか聞けなくなっていた。


 それだけ、虚実機関のデータにも様々な物があるらしいし、私も能力や魔女、魔眼などの類を自分もそうだし、実体験として見てしまっているのだから。


「ええ。だから気をつけましょう。

自己の別様態と出会って、殺し合いにならないとも限らないから。

ソラみたいに呑気だといいけど、でなきゃすぐに殺されちゃうわよ」


 何だかドッペルゲンガーには気をつけましょうって話に通じる気がする。

 それだけ自分自身の内面に眠る可能性が、ある意味人間の暗黒大陸ってことか。


 そりゃあ心理学が躍起になっても、精神を完全には解明出来ないで、大凡を推測して、合理的に解釈するしかない様なものかしら。


 そういう意味で、オルタナティヴな自己には気をつけないといけないのだろう。

 自分自身こそ一番乗り越えるべき壁だと思うし。


「それに、クールで冷徹な仕事の出来る、ロングヘアビューティなソラも見てみたいかもって気持ちもあるのよね。

絶対、ハマると思うわ! 背は小さいのに頼れるお姉さんに成長してさ」


「それは私が今はひよっこだって言いたいのね? ええ、そうですよ。私はまだまだ未熟なのは分かってます」


「あ! そういう意味じゃなくてね。

でもまぁ、そんなのと遭遇することもないだろうしね、出遭ってもさっき言ったようにこっちに味方してくれる訳じゃないと思うわ」


 まぁ、そうでしょう。他意はないのは分かってます。

 でも、自分の闇堕ちみたいなキャラを想像するって、どうもなんかむず痒い気持ちになるよね。


 ユーリみたいな魔女が暗黒化したらどうなるんだろうか。

 ・・・・・・うーん。想像出来ないよ。

 ユーリはあっけらかんといつも明るいし。


 あ、でもそうなら。

 笑顔でバッサリ殺しも厭わないとかかな。


 ・・・・・・いや、やっぱりそういう想像は失礼よね。

 絶対、ユーリじゃないわよ、それは。




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