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ヒーロープロデュース

作者: 西野萬叉

 “○○”をスクリーンに映す想定です。



ヒーロー

「俺はヒーロー。最近自分の方向性に悩み迷走している。あ、ちょうど、プロデューサーが来た。相談しよう。忍者もいるな。一緒に話を聞いてもらおう」


プロデューサー

「で、今度は何になったわけ?」


ヒーロー

「“よい子の味方カリーパンマン”です」


プロデューサー

「それはよくないと思うよ」


ヒーロー

「え!? あなたにダメだって言われたから“カニパンマン”から変えたんですけど」


プロデューサー

「いまどきコンプライアンスとかが厳しいから危ういのはやめた方がいいって言ったんじゃないの。わかってもらえてないなあ。もっとひどくなってるじゃないの。1文字違ったらいいだろうというのは安易すぎるよ」


ヒーロー

「我が家は本格シェフが作るから“カリー”なんです」


プロデューサー

「そういう問題じゃないんだよねー」


ヒーロー

「じゃあどうしようか。“よい子の味方カリーライス”!」


プロデューサー

「うん。それは食べ物だね。子ども向けのカレー粉の宣伝じゃないんだから。人の要素を入れてもらわないと」


忍者

「“よい子の味方カリーライス仮面”ではどうだ?」


プロデューサー

「野暮った過ぎる。長すぎる。カリーライスが長いんだから、そこにヘッダーもフッターも付けたら長すぎるでしょ? カリーライスのところに特徴も人の要素も入れて表現して欲しい訳よ」


忍者

「ではこれではどうだ。“よい子の味方カリーリア”!」


プロデューサー

「そうそう! そういうこと! いいんじゃない?」


ヒーロー

「でもそれではちょっと女子っぽいですよね。ゼウスとかハデスとかT-レックスとかスープレックスとか最後に“ス”が付いた方が強そうで男子っぽいかなと思うんですけど」


忍者

「では、“よい子の味方カリーリス”じゃな」


プロデューサー

「らしくなってきたね! そうなると“よい子の味方”がちょっとパンチ弱いな。何か君らしさを表現するものを入れたいね。なんか得意なことないの?」


ヒーロー

「弓は比較的得意ですね」


忍者

「それでは“超絶敏腕射手”ではどうだ?」


プロデューサー

「いいじゃない。すごく強そうだよ!」


ヒーロー

「わがまま言って申し訳ないんですが、これじゃあ立ち位置が分からないんじゃないでしょうか? 善なのか悪なのか。メインなのか補佐なのか」


プロデューサー

「うーん、長くなってしまうが本人の希望なら仕方がないな。君はどんなことを目指してるの? どういう自分でありたいの?」


ヒーロー

「やっぱり、グループの中で責任感を持って前線に立ってリードしていくやつみたいな」


忍者

「では“陣頭責任者”だな」


プロデューサー

「そのまんまじゃん。っていうかさっきから漢字が多いよ」


忍者

「仕方がないじゃろ。忍者なんじゃから」


ヒーロー

「今までのを合わせると“超絶敏腕射手カリーリス陣頭責任者”になりますね」


プロデューサー

「カリーパンマンの面影はすっかりなくなってしまったが、仕方がない。怒られるよりはいいだろう」


忍者

「ちょっと待て! 今や諸子百家も顔負けのキャラ群雄割拠の時代だ。同じ名前のキャラがおるやもしれんぞ!」


ヒーロー

「あり得ますね」


プロデューサー

「こんな名前が被ってしまったら、完全にパクったと思われるだろう。念のためにマスキングしておくのが無難だな」


ヒーロー

「せっかく考えてもらったのに無念ですが、時代ですね。仕方がない」


アシスタント

「あ! カニパンマンさん! こんなところにいたんですか!? 出番ですよ! 早く来てください!」


ヒーロー

「カニパンマンではない! “○絶敏○射○○リ○リス○頭責○○”だ!」


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