登場人物紹介
★主人公とその仲間
【マモル・ユゴー】
日本からこの世界に転移した。転移当時十五歳、転移後の身体は十一歳。
ユニークスキルである「肖る者」の能力によって、自分で実際に見聞した生物の能力を習得できるようになった。
日本にいた頃は病弱で、山や海などに行った事もほとんど無かったため、人並みの体力を得たこちらの世界では、あちこちに出かけて生の動物たちを見ようと意気込んでいる……いた。
病弱だった頃はアウトドアライフに憧れてそっち系の本を読んでいたため、知識はある。異世界での冒険にも憧れてラノベも読んでいたらしい。
【ヤーシア】
元ストリートキッズの少女。赤褐色の癖っ毛。大柄で力が強く投石が巧みなので、ストリートキッズたちのリーダー格に収まっていた。体格は大柄だが、成熟した体つきと言うにはほど遠い。まだ色気より食い気。得物はマモルから貰った投石紐と角手。
【ソーマ・サザ】
滅ぼされた東国の領主の遺児。ソーマの知人の言を借りれば、〝要領の悪い事は天稟と云うくらいなもの〟――との事。ただし、本人曰く〝人を見る目はある〟らしい。
生来の要領の悪さに加えて行き当たりばったりと無頓着が祟って山賊も辻斬りも上手くいかず、どうしたものかと考えてあぐねていたところをカーシンに出会い、カフィの護衛任務を引き受ける。
後にマモルと行動を共にするようになってからは、自分よりも将または軍師の才能があると言い切り、ちゃっかり部下――自称、侍大将――の地位に収まる。
★フォスカ家関係者
【ユーディス・フォスカ】
滅ぼされた領主の姫君。お家再興を願って(?)、埋蔵金の在処を示すものを持ち出し、保護者の許を飛び出した男勝りの剣姫。男言葉で話す。脳筋とまではいかないが、やや考え足らずで直情径行なところがある。
【サティ】
姫様の侍女その1。ユーディス姫に同行してフォスカ家再興の旅に出て、挙げ句に姫共々囚われたところをマモルたちに救出される。
【カフィ】姫様の侍女その2 その1の妹
姫と姉を追って家を出たが道に迷い、カーシンに助けられる。カーシンの依頼を受けたソーマに護衛されて姫君と姉を追う。
【カーシン】
世を捨てて隠棲する稀代の魔術師。年齢不詳。フォスカ家とは古くから付き合いがあり、落城の報を聞いてユーディス姫の救出に乗り出す。白髪で目付きの鋭い老人。マモルの正体を異世界からの転移者だと見抜く。
【ゼム】
フォスカ家に出入りしていた猿楽士。旅芸人の生活が長かったために世間の事情に通じており、意外にも軍略の才覚があったため、フォスカ家の軍師格に収まる。ちなみに、飼っている小猿の名前はアメデオ。
【カガ・ニッケン】
フォスカ家侍大将の長子。落ち延びたフォスカ家の残党を取り纏めて山中に逼塞していた。ユーディス姫と合流後、亡き父に代わり新たに侍大将の任に就く。若いながら忠義一徹の熱血漢だが、用兵にも巧みな戦術指揮官。
【ディクト】
カーシンの高弟。弟弟子たちを殺したマナガに復讐を誓う。
【リューイ・コガク】
カーシンの招集に応じて参上した高弟の一人で仕込み杖の達人。ただし女性。ユーディス姫の護衛として付けられる。堅物。
★シガラの町住人
【シャムロ】
シガラの町を縄張りとする地回りの親分のような実力者。ただし侠気ある人物。旧知のユーディス姫からマモルの力になるよう(紹介状で)頼まれた。マナガへの反感もあって、ユーディス姫のお家再興を影から援助する。
【黒猫のカーヴィ】
少し目付きの悪いシャムロの間諜。いつも黒猫を連れ歩いている。
★戦国領主たち
【ダズ・マナガ】
元々はフォスカ家からシガラの町に派遣された代官であったが、周辺の小領を征服・吸収して力を付け、主家であるフォスカ家を滅ぼした。現在は自分に好意的でないシガラを離れて、新たに造ったタマン城に居座っている。
【ジン・ケイツ】
近在で最大勢力を誇る大領主。家格も古く、成り上がり者のマナガを快く思っていない。マナガの覇権主義を警戒しており、潰そうと心に決めている。
【ヤザ・シカミ】
マナガと敵対する地方領主の一人。ケイツと結んでマナガ包囲網を形成する。
【トマ・ワナリ】
マナガと敵対する地方領主の一人。ケイツと結んでマナガ包囲網を形成する。
【ギィ・シカガ】
マナガと敵対する地方領主の一人。ケイツと結んでマナガ包囲網を形成する。
【アタギ家】
マナガと敵対する地方領主の一人。ケイツと結んでマナガ包囲網を形成する。
【イーサ家】
マナガに滅ぼされた領主。マナガと壮烈な戦いを演じた後、一族郎党が全滅し、領都イーサの町も致命的な被害を被った。
【トーチ家】
マナガに併合された元・領主。数戦した後に、臣下と領民の安堵を条件に領主が自害。幼い長子を代官とし、トーチ家の家老がその後見に入るという条件で併合された。
【マガイ・サイカ】
マナガに併合されたサイカ領の元・領主。領民に危害を加えない事を条件にマナガに臣従し、代官の地位に収まる。領民の事を第一に考える名君。
【マタイ・サイカ】
サイカ領の元・領主マガイ・サイカの弟。領民の事を第一に考える兄には共感するも、マガイに付くのは間違いと考えて山に逃れる。マタイに同意する者のほとんどが彼に付き従い、サイカ衆は二分される事に。
【ウォード家】
遠国にあって天下を窺う野心的な領主。フォスカ家とは縁続きながら、フォスカ家消滅後のこの地域の覇権を狙ってマナガと結び、ケイツ家やシカミ家の背後を脅かす。が、マナガを信用しているわけではない。フォスカ家の姫が生き残ってお家再興を目論んでいると知ってからは、その動きも微妙になりつつある。
★その他
【サブロ】
マナガに滅ぼされたイーサ家の関係者。山に逃れて山賊のような事をしているが、マナガに与する者しか襲わないと嘯く。後にフォスカ軍に協力する事になる。イーサ家では馬役人をしていた。ハルスとは幼馴染み。
【ハルス・アーヴェイ】
マナガに滅ぼされたイーサ家の関係者。山に逃れて山賊のような事をしているが、マナガに与する者しか襲わないと嘯く。後にフォスカ軍に協力する事になる。
イーサ家で文書方をしていた。サブロとは幼馴染み。家伝の古文書の詰まったボロボロのマジックバッグ(少し不調)を抱えて逃亡していた。
【サイモン】
姫君を一時匿うゴーラムの有力商人。慎重派で表立っては動こうとしない。ユーディス姫のフォスカ家再興のために協力するが、商会を束ねる身として、フォスカ家と心中する気も無い。
【トバ】
旧フォスカ家の鳥役人で、使い鳥の世話をしていた。マナガの反乱に際し、使い鳥を全て解き放って行方をくらます。現在マナガが使っている鳥も、元はトバが育てたものである。テイマーの素養があるが、一般のテイマーとしての道を歩まず飼育係一辺倒。後にユーディス姫らと合流し、マナガの使い鳥を呼び寄せてその通信内容を盗み読むのに協力する。
【ソン・ベイル】
浅黒い皮膚に無精ひげ、癖のある黒髪に金色の瞳。地球であればラテン系とか野性的とか形容されそうな風貌であるが、その眼の奥には狡猾で冷酷な光が宿っている。一言で云えば、油断のならないとか信頼できないとか言われそうなタイプであるが、それを補って余りあるほどの強烈なカリスマ性を備えているピカレスクキャラ。
理詰めの計算はできないが、本能的な嗅覚で最適解を選ぶタイプ。
アタギ領を荒らし回る盗賊の首領であったが、後にベイル傭兵団を結成。下克上の舞台に打って出る。
【ショウゼン】
ソン・ベイルの軍師を務める老人。ベイルがシカミ領の盗賊たちを一掃した際に仲間に入る。