episode1
小説家になろうへの投稿は始めてなので至らぬ点があるかもしれませんがよろしくお願いします。
海岸線の森を一人の女性が走る。息継ぎの暇もままならぬほどに走る。女性の腕にはこの世に生をうけて半年もたたぬ赤子がいるのに気を配るほどの余裕もなく走る。赤子には人目につかぬよう毛布にくるまれてある。その女性と赤子を追う男の集団。集団の人数は十はいる。現実的に考えてこのまま女性が逃げ切るのは無理であろう。女性が望むのはただ一つ。それは赤子だけは逃がすこと。自分がこの先、待ち受ける運命はとても残酷なものである。そして、その運命からはどうあがいても逃げられない。
「おい!こっちのほうから音がしたぞ!」
「!?」
足音を聞かれたのか、それとも風で草木が揺れる音を聞き間違えたのか追っ手の1人が声を上げる。その声は女性の耳にも入る。
だが、声が上がった場所は女性からかなり遠く。女性はこれ幸いとばかりに自分の腕に抱いている赤子を見る。赤子は泣くこともせずただ女性の服を小さな手で握る。愛らしい動作に女性は微笑む。
「あなたは生きてね。」
女性は赤子と毛布を一緒に置き去りにし、駆け出した。
小さな命を守るために。未来ある命を守るために。女性はここまでの道のりを逆走する。赤子の目ではもう女性は見えない。
(誰か、価値あるあの子を幸せにしてください)
赤子は置き去りにされたにもかかわらず泣き叫ぶことはなかった。ただ静かに涙を流した。それは赤子にも理解できたのであろう。一つの命が自分のために犠牲になることを。
これは一人の少年の物語
今回は僕の書いた本を呼んで頂きありがとうございます。まだこれからも続けて書く予定なのでみまもって頂ければ幸いです。




