08,大金をゲットしたそうです。
自分では頑張って長くしたつもりです。
どうぞお楽しみ下さい。
この世界にきてはや4日経った。この世界は種族による過激な差別が存在し、各国の情勢としては、戦乱の世ということもあって不安定だ。国も、土地も、民もみな疲弊している。全く指導者として失格である。「暴虐の王」と恐れられた俺でも、世界を安定させるため、そして、民が豊かな生活を送れるよう政策を施してきたつもりではあるが、ここまで愚かではなかったはずだがなあ。
そして、この世界に来た俺だが、神によって最強の力を手に入れた。俺が前いた世界で努力して得た力量に見合った力だろう。これは決して過信などではない。客観的かつ冷静に分析した結果だ。
神がなぜ俺をこの世界に呼んだのかはだいたい予想がつく。おそらく征服に関してはプロである俺に、この世界に平穏をもたらすという目的における統一をさせるためということだろう。もともと、俺も前回の失敗のリベンジをするために世界征服をするつもりだったがちょうどいい。
さてこれからどうしたものか。まあとりあえず冒険者として、生活やこれからのための資金を集めなければならないな。資金を集めた後はその時になってから決めようと思うが、まずはいま討伐したスライムを換金でもするか。
「それにしても今のすんげえ魔法で何体スライム倒したんだ?」
「全部でだいたい2000体くらい倒したようだな。」
「まじ.....」
「いまだに信じられないけどリエラちゃんがこんなに強いとは思わなかったな。第8位階だっけ?そんなものが存在するなんて思わなかったよ。」
「我もまだ理解が追い付いていない。」
「お、おう。」
三人ともまだ悪魔にビビってるようだ。
自分の視界にさっき発動した魔法でスライムを何体討伐したか表示された。冒険者三人によると、表示された討伐はステータスに記録され、ギルドで提示すると報酬がもらえるというシステムらしい。
そして、王国管轄のギルドならどこへ行っても対応してくれるらしい。
「さて、ギルドに戻るか。そういえば今の地点から一番近いギルドはどこだ?リロード。」
「シエラ市にあるギルドが近いです。シエラ市なら大きな都市ですし、そこでしばらく滞在するのもこの世界を知るのによいかと思われます。」
「よしそこへ行こう。お前たちも行くよな?今日はたくさん討伐したから大金が入るだろうし、俺のおごりで一緒に夜はうまいもんでも食べないか?」
「いいのか!?」
「ああ、いいとも」
「「「やったあ!」」」
それから30分ほど歩き、森を抜けいったん先ほど立ち寄った村に行った。
村の人間が俺たちの帰還に期待を寄せる。
ぞくぞくと集まってきた。
「皆の者、安心するがいい。この森一体に生息していたスライム約2000体を先ほど討伐した。」
「.......は!?そんなわけ。」
「冗談はよせ!小娘が」
「結局討伐できなかったのか?」
「俺たちにどれだけ被害が出てると思ってんだ!」
「まったくひどい言われようだな。」
「リエラ様になんて無礼な!リエラ様この人間どもに制裁を加えてもよろしいでしょうか?」
リロードが俺の背後から現れた。
「なっ!?悪魔を使役している....だと?!」
「信じられん。」
「まあ落ち着け。」
「しかし....」
俺は村人たちに視線を移す。
「まあ、嘘か本当かどうかはそのうち分かる。」
村人の疑念の目は変わらない。
そう言い残し俺たちはシエラ市に向かった。一応村人たちには報告しておいたし。信じてない様子だったけど。
やはり「市」というだけあって人口も多いし、立っている建造物の高さも高い。町に活気があふれている。
いま戦乱中だということすら忘れてしまいそうになるほどだ。リロードによるとこの都市は戦場からはかなり遠い位置にあるらしい。石畳が敷かれており、たくさんの人々が市場にて商品を売買している。
俺は人々が行きかう通りを物珍し気に目まぐるしく視線を泳がしながら、リロードの案内でギルドへ向かった。
石造りの5階建ての建物で、この都市で一番大きい建物のようでシンボルのような位置づけにあるらしい。
最初に立ち寄ったギルドとは大違いである。そもそもなんていう町だったか忘れてしまったが。
俺たち一行は正面の豪華な扉を開け中に入った。
前回のギルド同様、吹き抜けとなったロビーが眼前に広がる。相違点としては、赤いじゅうたんが敷いてあることと、野蛮そうなものがいないということだ。ただ中にいる者は一斉にこちらを見たのは同じだが、その目は人間種を蔑む目ではなく、どこか物珍しそうで、少し怯えの感情も含まれているようだ。
俺は違和感を感じつつ、受付へと向かった。
「依頼を達成したので報酬を受け取りに来た。」
「で、ではステータスの表示を...」
「ああ」
受付嬢は前回の非礼なものとは違い、どこか慎重になりすぎている対応であると見受けられる。
リロードは悪魔であるため、やたら街を歩いては騒ぎになりかねない。だから姿が見えないよう透明化して背後に隠れているのだが・・・・。
その受付嬢は俺のステータスを見るなり、
「しょ、少々お待ちください!ただいま特別室をご用意いたしますので!」
どういう風の吹き回しだ?なぜ人間種である俺たちが?
こうして、俺たち一行は2階へと続く階段を上り、特別室に通された。中には高そうな絵画が壁にかかっており、ふかふかのソファーが中央に2つ設置されていた。ソファーに腰掛けしばらく待っていると、中年太りのホブゴブリン男が額に脂汗をかきながら入ってきた。
「お待たせして申し訳ありません。私はこの王国ギルド・シエラ支部の支部長をしております、エルドと申します。」
「ふむ、私はリエラ・ブロッサムだ。そして、冒険者仲間のリーク、ローズ、ラリエルだ。して、なぜ私を特別室に?私はただ依頼達成の報酬を受け取りに来ただけなのだが。」
「実は...王国本部から、『リエラ・ブロッサムという少女がギルドに来たら特別待遇せよ。』という内示が出ておりまして・・・・」
「なぜ王国本部がそのようなことを?」
「はい.....第8位階である貴女様に対し、冒険者登録を担当した者が大変な無礼をしたそうで、ご気分を害されたのではないかと本部で懸念されいるのです。万が一、第8位階の貴女様と王国が対立した場合、我々に未来はありませんから。」
「なるほど。しかし、王国で懸念されるほどになっていたとは。」
「なにせ、貴女様は神話をも超越すると言われる第8位階であられますので。ところで先ほど依頼達成とおっしゃってましたが、どういう事でしょうか?」
「ああ、スライムを討伐したので報酬を受け取りにきたのだ。--------ステータス。」
俺はエルドにステータスを表示し、証拠を見せた。
「スライムを.....約2000体?!流石でございます。やはり他の冒険者とは次元が違います。それにしても、第8位階のステータスを拝見させていただけたことに、このエルド、大変恐縮、光栄に感じます。」
エルドは体を身震いさせ、鳥肌が止まらない。まさに絶句している。
「では、金貨2176枚ご用意します。大変な額ですので少しお待ち頂かなくてはなりませんが、よろしいでしょうか?」
「ああ、構わない。」
それから5分程して、大量の金貨が中央のテーブルに置かれた。しかし、これだけの大金を常に所持するのは危険だ。そういえば、三人たちはどうやってお金の管理をいているのだろうか?
「そういえば三人ともいつもお金はどうやって持ち歩いてるんだ?」
「俺は空間収納が可能なポケット付きのズボンを履いてるから、そこに自分の物はしまってる。」
「私も空間収納ができるスカート履いてるからそれで」
「俺もリークと同じだ。」
「なるほど、そんな便利な者があるのか。私も服を買いたいものだな。」
そう言うと、突然ローズの眼光が鋭くなった。と、同時に激しい悪寒が走る。
「リエラちゃん服探してるの?!?!なら私が選んであげる!エルドさん、どこかいい服屋さんはありますか?」
「あ、ああ、あるさ。ギルドの裏に大きな通りがあるからそこで買うと良い。」
「ありがとうこざいます。ね?リエラちゃん、今すぐそこに行きましょう!折角大金も手に入ったのだし!」
「お、おう...」
俺に有無を言わせずローズは俺の手を引っ張りだす。
「じゃ、じゃあ、エルドよ。また来る。」
「ちょ、お待ちください!アルカイラ王国の王からの招待状をお預かりしております。」
エルドが招待状を差してさ出してきた。
「時間があったら行ってみる。」
「了解しました。本部にはそう報告しておきます。」
こうして、俺たちは強引にもギルドを後にし、通りへと向かった。
ここからが着せ替え人形という地獄が待っていたのだーーーー
長らく投稿できてませんでしたが、なんとか1話の長さを長くしての投稿ができました。
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