5.誓い
短めです。
「お前は、なにを背負っている。なにを果たしたい? なにを守りたい?」
「――え、?」
初めて発した彼の言葉にカイルは混乱を隠せなかった。
カイルが旅に出たきっかけは特になかった。彼が旅に出た理由は自分探し。自分が何をしたいのか。何を目指したいのか。ただそれを探すためだけにブラブラと旅をする。
そんななか出会ったアルタイルことアル。彼に気に入られたというよりか彼は自分を待っていたといっていたのだがだからといってこれまで特別なことが起きるわけでもなく旅をする仲間が増えただけ。そのはずだった。
しかし、この街に来てから相棒はカイルの知らないことを呟くようになった。まるでわかっていたかのように、だ。相棒に聞く暇もなくいつの間にか自分は呪いを払う役目を背負わされていて、自分の口からはなぜかするりといろんな言葉が出てきた。
そして、いま目の前には謎の男がいて。自分が何をしたいのかを聞いてきた。
「オレはこの旅の目的は特にない。強いて言うなら自分探しの旅だ。本来であればこの街に未練も何もない。ただの旅の途中頼った街、だ。だけど、いま思えばオレはアルに出会ってからすでにこの運命になることが決まっていたのかもしれないな。いや、契約してから、か」
アルを見つめながらオレは男に向かって言った。
「自分の相棒がオレという存在に一縷の望みをかけているんだ。やらないわけがない。それに、話を聞いてみると呪いが広がるとこの街だけじゃなく世界中に被害が及ぶかもしれないんだ。オレがここに残って役目を果たせれば故郷を守れる。オレは故郷を守るためにここにいるんだ!」
オレの言葉に男はふっと笑いアルを見る。
「いい出会いをしたな、アルタイル」
『当然です。世界の危機が迫っているんです。下手な人間を選ぶわけがないでしょう』
アルが羽を胸にあてて誇らしそうに言う。やはり、彼は初めからこの街にオレを連れてくるためにいたのだろう。
男がこちらを向いて真剣な顔で言う。
「俺の名は審判を司る神獣グリ。ノアと呼んでくれ。カイル、どうか俺の最愛の人を助けるために力を貸してくれ」




