1.カイルという少年
青々とした草原の中を1人の少年が歩いている。
くたびれた服とは対照に炎のような橙の瞳は爛々としていてどこか幼く見える。陽の光に当たった真紅の髪と合わせるとひとつの強い炎に見えた。
そんな彼の側には1匹の橙の鳥がいる。鳥はくるくると少年の周りを走り、彼の前で止まる。
『カイル、もうすぐ街に着くよ!』
「本当か、アル!」
『うん!』
少年の名はカイル。しがない旅人だ。アル、というのは橙の鳥のこと。アルはカイルの契約精霊である。
この世界には魔法というものが存在する。
人々は魔力があれば魔法を誰でも使えることができた。魔法には属性がある。火、水、風、土、氷、雷、光、闇、空間の九つの属性からそれぞれ違う属性がひとつからふたつ人々は魔法を使うことができるのだ。
そして、その九つの属性にそれぞれ精霊と呼ばれるものが存在する。アルと呼ばれた精霊は火の精霊である。
そして、カイルは火の属性を持つヒト族である。
彼らは旅の途中で出会い、行動を共にしている。
「この国には美味しい食べ物がいっぱいあるらしいぞ!」
『ほんとっ?!はやく、はやく!』
「え、ちょっと待て!早いって、アル!」
美味しい食べ物があると聞いたアルはスピードを上げて先は先へと進んでいく。急いでそれを追いかけるカイル。
彼らはこの国で何を抱え、何を待っているのかをまだ知らない。
△▼△
教会にて創造神の像に祈りを捧げていた少女が顔を上げる。
「来た」
『リリア?』
彼女は肩に乗っていた白い蛇の精霊を優しく撫でる。その顔は慈愛に満ちていたがどこか悲しいように見えた。
彼女は自らの白い髪を後ろへ流し、その澄んだ水のような青を持つ瞳を前に向ける。
「創造神アイルさま、どうかこの国にご加護を」
100年前に止まっていた歯車が、動き始めた。
最後に出てきた少女は何者なのか。
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