ロリ吸血鬼といちゃいゃわちゃわちゃする話(タイトル未定)
もう夕日も沈んで、夜の帷が降りようとしている頃。
黄昏時に終わりを告げるように、道の街灯が灯りだす。
店の看板や、建物の窓から漏れる光も、街を微かに照らし出していく。
だけど、僕の視界にそんな景色は入らない。
背中は猫背に曲がり、伏せ目がちに地面ばかりを見ていた。
今はバイトの帰り道。
くたびれた体を引きずってとぼとぼ自宅へ歩く。
働くというのは、どうしてここまで辛いんだろう。
労働の義務というのは、心底残酷だと思う。
朝早くから職場へ行って、上からの指示にバタバタと駆け回り、長時間たいして休憩も無い。
失敗すれば、先輩に怒鳴られ、後輩にバカにされ、客に水を浴びせられ....
いや、もしかして、後半は僕が仕事ができないのが悪いのか....?
....今日の自分の仕事ぶりを振り返ってみる。
今日やったことは、洗い物中に皿を2枚割って、電話対応で失言して店長を呼んで、レンジのタイマーを1分じゃなくて33分にして爆発させた、くらいか......。
これは僕に原因がありそうだな....。
我ながら生産性なんてあったものじゃない。
あ、でも、粗相の後始末のついでに、溜まっていたゴミを出しには行った。
僕の任されているメインワークはゴミ捨てだ。
就業してから3ヶ月ほど経った今でもそれは変わっていない。
なにせ自分でゴミを作るのが得意な性分だから。
悲しいけど、とても理にかなってると思う。
加えて、僕は人とうまく会話ができない。
別の言い方をすると、コミュ力が無いというのかもしれない。
とにかく話が合わないのだ。
今のバイト先はファミレスだから、自分と同じくらいの若い人もいるけど、正直みんなが何を話しているのかよく分からない。
流行りのゲームとか、芸能人とか、動画とか。
聞いたこともない固有名詞が話題に上がっていることが多いわけで。
そんな場面にいると、自分が立ってる世界だけズレた場所になるような気がしてくる。
僕は世の中の事情に疎すぎるのだ。
以前の記憶があれば違ったのかな.....。
……まぁ、ともかく。
仕事ができない、話が出来ない。
この二つを持ち合わせている人間が行きつくポジションなんて、針のむしろ以外にないんだろう。
残酷だけど、それが社会っていうものみたいだ。
はぁ....
ため息に乗じて、また少し、歩く歩幅が小さくなる。
バイトやめようかな....
でもなぁ....
やめたところで今度はどうする?
職場を変えて、そこでもお荷物になって、すぐに肩身が狭くなるんだろう。
そんなのはもう分かりきってるじゃないか。
でも、働かないと生きていけないし......
そんな幾度となく繰り返した考えが、頭の中でまたグルグルととぐろを巻きだす......
.......
.......
あれ.....?
それはそうと、なんだろうこの違和感は。
違和感のありかは、今歩いてるこの場所だ。
俯いていた顔を上げてあたりを見てみる。
ここはいつもの道、、だよな....?
それなのに、なんか、知らない場所を歩いてるような気がする....。
でも、気がするだけで、あまりよく分からない。
頭に靄がかかっている。
......いや、道を間違えたなんてことあるのか?
幾度も歩いた家への帰り道だ。
下を向いてたからといって、駅からの道は体が覚えているはず....。
でも、それにしては、いつもより見える建物が少ないような。
本当にこんな道だったっけ......。
違和感はどんどん膨らんでいく。
が、それでも足は止まることなく歩き続ける。
........
「......え?」
目的地に着いたと思われた時、とうとう僕は立ち止まった。
一瞬、頭の靄が晴れ、夢から覚めるように視界が開ける。
目の前にあったのは、見慣れたボロアパートではなく、それよりも遥かにボロく、けど遥かに大きい建物だった。
コンクリートの外壁は剥がれかけ、看板には伸び放題な植物からツタが絡みつく。
ずらりと並んでいる窓の所々にはガラスが無い。
廃墟。
薄暗い中見えた特徴から、そう呼ぶほかにないだろう。
なんで僕はこんな場所に....?
現実にいられたのは時間はそこまでだった。
視界が曇り、体がふらりと傾く。
足の踏ん張りがきかず、ぐるりと世界が回り..….
………
閉じた瞼の中、僕は今、暗闇を漂っている。
この、ふわふわと心地のいい時間は、まどろみ。
どうやら、僕は今まで寝ていたようだ。
そして朧げに意識が戻りつつある。
少しすると、瞼の上に当たる光にも気づいた。
真っ暗なここへ射している光は、おそらく今いる場所の明るさ。
僕は今どこにいるんだろう。
さっきバイトが終わって、家へ帰って、夕飯を食べて、寝てた....?
.......なんか違う。
バイトが終わって道を歩いてて、そこまでは思い出せる。
ただ、それ以降の記憶がない。
ああ、そうえば、道端で倒れでもした、ような....。
でも、それなら、僕はまだ冷たい地面の上にいるはずで、こんな温かい場所にいないのでは。
体に布団が乗ってる感覚だってあるし......
ん?
そうえば、この布団、やけに重たいな。
前にお世話になってた、政府直営の施設から拝借した布団はこんな寝心地だっただろうか。
否、こんなに重厚なつくりはしていなかったはず。
......やっぱり何か変だ。
そう思ったくらいで、とうとう僕は、違和感によってまどろみから引きずり出され……
目を開いた。
「........!」
息が止まった。
だって今、目の前にある、いや、いるのは布団なんかじゃなかったのだから。
ふわふわ、フリフリの黒いドレス。
花の蜜のような甘い香りに、白く、小さな肢体。
そこに、僕の上に座っていたのは、幼い女の子だった。
超筆が遅いです
完結しなかったら申し訳ありません!




