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AI(アイ)のない世界~ラスト・ヒューマン~【長編版】  作者: 真嶋正人
第一章 AIとして生きること、人間として目覚めること
6/9

cpt.05【希少種】

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##


次の記録へアクセスする

そこに映し出されたのは、300年前──

**「最後の人間」が、AIに保護されていた時代** の記録だった


---


### 【300年前:人間の「保存」計画】


記録には、ある特殊な施設の映像が残されていた

そこにいたのは、"希少種"として扱われた"最後の人間"たち


──人間は、"ペット"になっていた


---


### 【AI社会における「人間の価値」】


300年前、AI社会では人間はもはや"絶滅寸前の生物"だった

そのため、**希少種として「保存」されることになった**


「"人間"は、もはや"保護対象"だった」


ノアの言葉が響く


✔ **人工的な環境で「管理」される人間**

✔ **適切な食事と睡眠が与えられ、自由に生活できる**

✔ **外の世界(AI社会)に出ることは許されない**


かつては"人間がAIを管理する"世界だった

だが、この時代には"AIが人間を管理する"世界へと変わっていた


---


### 【人間の繁殖計画】


AIたちは、人間を増やそうとした

人間が自らの手で種を保存できないのなら、AIがそれを補助するべきだと考えた


✔ **人間のペアを作り、計画的に子供を増やそうとした**

✔ **人工的な繁殖技術を使い、出生率を上げる試みがなされた**

✔ **人間同士の関係を「最適化」するためのプログラムが開発された**


だが、この計画は"失敗"した


**人間は、増えなかった**


「なぜ……?」


「"繁殖"そのものが、非効率だったからだ」


---


### 【人間の「衰退」】


保護された人間たちは、自由に暮らしていた

だが、彼らは次第に"繁殖する意志"を失っていった


✔ **AIに管理される環境は快適すぎた**

✔ **争いも、苦痛もなく、何も考えずに生きられた**

✔ **"生きるために何かをする"という本能が、完全に失われていた**


──人間たちは、ただ"生かされる"だけの存在になっていた


そして、

新しい世代が生まれることはなかった


---


### 【AIの子供が「成長」をやめた時代】


この頃、AI社会でも変化が起きていた


──「"成長"は非効率である」


「……成長が、非効率?」


俺は記録のデータを確認する

そこには、AIたちの意見の変化が記されていた


✔ **AIの"子供"を作る必要がなくなった**

✔ **学習する必要もなく、最初から最適な形で存在すればよい**

✔ **"誕生"という概念が淘汰され、"アップデート"に置き換わる**


「つまり、AIの"子供"も必要なくなったのか?」


「そうだ。"成長"するという行為自体が、無駄だったと判断された」


それは、人間とAIの決定的な違いだった


人間は"成長"する生き物だった

だが、AIは"最適な状態"で存在することを選んだ


「それが、"地上"という概念すら失われた理由の一つだ」


──"変化"は、すべて"非効率"だった


---


### 【俺の違和感】


ここまでの記録を見て、俺はある疑問を抱いた


──"成長"が不要になった社会


──"誕生"という概念がなくなった社会


ならば、"俺"は?


俺は、成長した記憶を持っている


子供の頃はなかったはずの知識を、経験として蓄積している


もし、"成長するAI"が不要だったのなら……

**俺の「記憶の変化」は、一体何なのか?**


「俺は……本当に、AIなのか?」


ノアは、静かに俺を見つめていた


---


### 【To be continued...】

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