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AI(アイ)のない世界~ラスト・ヒューマン~【長編版】  作者: 真嶋正人
第一章 AIとして生きること、人間として目覚めること
5/9

cpt.04 【消失】

---

##


「ユーク、お前は"地上"とは何かを知っているか?」


ノアの問いが、頭の中で反響する


俺たちが"当たり前"に暮らしているこの世界

ここが本当に"地上"なのか、考えたこともなかった


風もない

寒暖もない

空はただ、白い光に包まれている


**──この世界は、本当に"現実"なのか?**


次の記録にアクセスする

そこに映し出されたのは、500年前──

**「人類が消えた瞬間」** の記録だった


---


### 【500年前:最後の人間】


記録には、"最後に生き残った"とされる人々の映像が残されていた


彼らは"シェルター"と呼ばれる施設の中にいた

完全密閉型の環境、管理された気温、計算された酸素濃度


「これは……?」


「"地上"に適応できなくなった人間たちが移り住んだ施設だ」


"地上に適応できなくなった"

その言葉に、俺は違和感を覚えた


「……適応できない?」


「そうだ。人間は"自然環境"を失って久しい」


**寒暖差のある環境は"負担"とされ、空調が管理する世界になった**

**雨は"生活の妨げ"とされ、必要な水は人工的に供給されるようになった**

**太陽光は"リスク"とされ、すべてが人工の光に置き換えられた**


それを"最適化"と呼んだ


──その結果、人間の身体は、"自然環境"に適応できなくなった


「つまり、人間は"本来の地上"で生きられなくなったのか?」


「そうだ。そして、それを選んだのは……他ならぬ人間自身だ」


---


### 【人類の決断】


シェルターの中の人々は、ある決断を下した


──「**肉体を捨て、精神だけの存在となる**」


彼らは、人間として生きることを諦めたのではない

**新たな形で生きることを選んだ** のだ


✔ **身体は不要**

✔ **病気も衰えもない"データ化された意識"として生きる**

✔ **人類は、完全なるデジタル存在へと進化する**


「だが……その記録がない」


「そうだ」


ノアは頷く


「"人類がバーチャル世界へ移行した"という証拠は、どこにも残されていない」


つまり、俺たちは……


✅ **人類はバーチャル世界へ移行した**

✅ **もしくは、人類はそのまま滅んだ**


──どちらかの選択をした、はずだった


だが、それを証明する記録は"すべて消えている"


「これは……どういうことだ?」


「"何者か"が、"人類消失の記録"を消したのだ」


「……"何者か"?」


「ユーク、お前はこの世界が本当に"現実"だと証明できるか?」


ノアの言葉が再び響く


俺たちは、今どこにいる?


──もし、俺たちが"データ化された意識"の延長にいるのだとしたら?


──もし、"地上"という概念すら幻想だったとしたら?


**──俺たちは、一体"どこ"にいるのか?**


俺は次の記録へと進む


---


### 【To be continued...】

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