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【連載版】魔獣の傷をグチャグチャペッタンと治したらテイマーになっていました〜黒い手ともふもふ番犬とのお散歩暮らし〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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65.飼い主、的当ては怖い ※一部マービン視点

『ほらほら、お前らこっちだぞ!』

『そんな弱い矢を放っても、淑女の心は撃ち抜けないわよ!』


 淑女の心は撃ち抜かれなくても、僕の心は物理的な意味で撃ち抜かれそうだ。


 さっきから目の前に矢が飛んでくるんだもん。


『兄さん、姉さんストップ!』


 ベロも僕と一緒にケルとスゥを止めようとしている。


『今止まったら矢が刺さるぞ?』

『それでも良いのかしら?』


『よくない!』

「だめ!」


 僕とベロの声が重なる。


 おててさんかおででさんが治せるってわかってても、さすがに痛いのは嫌だもんね。


 でも、僕達が時間を稼いでいたおかげで、ゴブリンアーチャーの後ろで手を振っているおててさんとおででさんがいた。


 おててさんとおででさんは地面や床からしか出てこない。


 さすがに屋根からは出てこれないから、ビヨーンと手を伸ばしていた。


「おねがいします!」


 僕の声に反応して、おててさんとおででさんはゴブリンアーチャーを突き落とした。


 そのまま家の屋根から落ちてくるゴブリンアーチャー。


『グギャ!』


 家から落ちたゴブリンの声が聞こえてくる。


 事前に耳を押さえて、目を瞑るように言われているから何も聞こえないね。


 その後は、すかさずケルベロスゥとマービンは仕留めているはず!


「中々おててさんとおででさんも過激だな」


 僕はマービンに頭を撫でられた。


 終わった証拠なんだろう。


 マービンは屋根にいるおててさんとおででさんに手を振っていた。


 久しぶりに帰ってきた家の中を覗こうとしたら、マービンの体に視界が隠されていた。


「中は俺が見てくるからな。ケルベロスゥ頼むぞ」


 それだけ伝えてマービンはゆっくりと僕の家の中に入っていく。


 すぐにケルベロスゥは僕を家から遠ざける。


 少し血のにおいと変わったにおいがしていたけど、パパかママが怪我でもしているのかな?


『中は大丈夫だといいな』

『パパとママがいるといいね』

『ココロには会わせたくないけどね』

『まぁ、ココロはお礼を伝えたいんだろ?』


 ケルベロスゥは僕がパパとママに会うことに反対している。


 もちろん前の僕なら家に帰りたかったけど、今ここにいるのはパパとママにお礼を伝えるためだ。


 なんかそうしないといけない気がした。


 伝えられることはその時に言っておかないとね。


 たが、それも言えないかもしれない。


 マービンが中々出てこない。


「なかにはいる?」


『んー、外にいた方が良いって言ってたから待ってようか』

『今は私達と遊びましょう』

『俺とも遊ぶぞ』


 ケルベロスゥは僕と遊びたいのか、しばらくかけっこしたりして時間を待つことにした。



 ♢



 ココロの家の扉を開けた時にすぐに異変に気づいた。


 ここにゴブリンクイーンがいるってな。


 単純に元騎士としての勘もあるが、においがそれを物語っていた。


「やっぱりゴブリンクイーンって言われているだけのことはあるな」


 部屋の片隅にはナイフを胸に刺された男達が横たわっている。


 ゴブリンクイーンはこんなところで何をやっているのか。


 それは〝繁殖行為〟としか言えないだろう。


 通常のゴブリンはメスのゴブリンか捕まえた人間を使って繁殖をする。


 それは一般的に知られていることだ。


 だからこそ女性はゴブリンを見たらすぐに逃げろと言われている。


 ただ、男性はどうなのか?


 それはゴブリンクイーンの時がそれに当たるだろう。


 ゴブリンクイーンは、より良い遺伝子を求めて人間の男を利用する。


 同じゴブリンより人間の方が知能や体力は違うからな。


 俺が感じとったにおいは血以外にも体液のにおいだとわかった。


 まぁ、俺も二児の父親だったからな。


 ナイフが胸に刺さっているのも、強制的に男達を死に追いやって興奮させているのだろう。


 だってゴブリンクイーンに興奮するはずないからな。


 俺が奥の扉を開けると、妖艶な表情を浮かべているゴブリンクイーンがいた。


 すでに行為が終わったのか、隣にはぐったりとした男がいる。


 ただ、あまり傷ついていないところを見ると倒れているやつは男として優秀なんだろう。


 いや、あれを優秀と言っても良いのかはわからない。


 俺に気づいたゴブリンクイーンは、俺にスキルのようなものを使っているのだろう。


 現に俺よりも大きな体をしたやつが、魅力的な女性に見えるからな。


 俺は鎧を外していく。


『グギャギャ!』


 これでも俺は元騎士だから、ゴブリンクイーンは本能的に何かを感じ取っているのだろう。


 ただ、残念だったな。


「俺にとっての妻はアリサしかいないからな」


 近づいたフリをしていた俺はゴブリンクイーンに剣を突き刺す。


 ついでにお腹の子どもを始末しておかないといけないからな。


『ギィヤアアアア!』


 甲高い声が家の中に響く。


 声に反応したのか男達は色んな意味で立ち上がりこっちに向かってくる。


 目が完全に逝っている。


「あー、スゥを連れてきてタマを食いちぎってもらえばよかったな」


 ゴブリンクイーンは命が危ないと思ったのかスキルを発動させた。


 男達は操られているのだろう。


 ケルベロスゥにはちゃんと伝えたが、ココロを離れたところで遊ばせているか心配だ。


 こんなところを子どもに見せるわけにもいかないからな。


 変態から逃げてきたって村に来るぐらいだ。


 来ない可能性はゼロではない。


「その気持ち悪いものをしまってもらおうか!」


 俺は何度もゴブリンクイーンに剣を刺すと、その場で息絶えた。


 それと同時に男達は倒れていく。


「本当にこいつらは悪趣味だな。まさか妻に自分の繁殖行為を見させるとはな」


 部屋の片隅には縛った状態で、動けなくなっている女性達がいた。


 女性達を諦めさせて、じっくりゴブリン達と繁殖行為をしてもらおうと考えていたのだろう。


 とことん精神的に支配する。


 それがゴブリンクイーンのやり方だからな。


 あー、胸糞悪いな。


 きっとこの中にココロの父親と母親もいるのだろう。


 こういう時こそココロに癒されたいわ。


 俺はどうやってココロにバレずに解決するのか悩むのだった。

お読み頂き、ありがとうございます。

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