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【連載版】魔獣の傷をグチャグチャペッタンと治したらテイマーになっていました〜黒い手ともふもふ番犬とのお散歩暮らし〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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60.飼い主、村に逃げる ※一部マービン視点

「ココロくーん!」


「もふもふさせてくれー!」


 後ろから変態の声が聞こえてくる。


 向こうも馬に乗っているからか、中々離れてくれない。


 ただ、ケルベロスゥの方が足は速いから問題はなさそうだ。


「はやくパパにいっておいはらってもらわないとね」


『もうそろそろ着くぞ!』

『ベロを噛まないようにね』

『ベロがベロを……ふふふ』

『姉さん! 力が抜けるから笑わないで』


 相変わらずケルベロスゥはマイペースで、ついつい僕も追いかけられているのを忘れてしまう。


 村に近づいていくと、周囲に草木が燃えるような臭いが広がっている。


 そういえば、魔物が村に向かっているのを忘れていた。


「まものはなにがいたの?」


『ゴブリンだから俺の方が強いぞ!』

『ココロは気にしないで!』

『私がタマを食いちぎてあげるわ』


 どうやらケルベロスゥの方が強いようだね。


「おててさん、おででさんみんなをまもって!」


 僕は念の為におててさん達にお願いごとをする。


 親指を立てているから、きっと理解しているようだね。


 村の近くに来ると、魔物の姿が見えてきた。


 緑色で僕とそんなに姿が変わらない魔物がケタケタと笑っている。


『『『ココロ見てて!』』』


 そう言ってケルベロスゥは、ゴブリンに向かって爪を立てる。


 切り裂かれたゴブリンはその場で血を流して倒れていた。


『おい、どうだ! すごいだろ!』

『今のは僕だよ!』

『いや、私よ!』


 ケルベロスゥは誰が倒したか言い合いをしている。


 体が一つだからみんなで倒しているのは変わらない。


 僕はみんなを優しく撫でる。


 周囲には魔物はあまりいないみたいだね。


 後ろを見ても変態は追いかけるのをやめたようだ。


「もどる?」


『ここまできたらパパさんのところにいくか?』

『やっぱり心配だもんね』

『ココロは私達が守るから落ちないようにね』


 僕もマービンのことが心配だ。


 ゴブリンが弱いって聞いていても、マービンの腕は治ったばかりだもんね。


 いざとなったらまた僕が治さないといけない。


「うん! パパをたすけにいこ!」


 僕達は再び村に向かって走り出した。


 ♢


「シュバルツ止まれ!」


 村の近くまで来ると魔物の被害がすぐにわかった。


「ゴブリン……それも集落を作る気か?」


 ゴブリンは基本的には自分達で集落を作るが、まれに村を襲ってそこに住むことがある。


 それだけを聞けば追い払えば問題ないと思う。


 ただ、気になるのはそんなことを考える頭が良い個体がいるってことだ。


「ゴブリンクイーンか」


 ゴブリンは女性の個体だと知恵を使うようになる。


 ゴブリンの上位種であるゴブリンジェネラルなら力が強い、ゴブリンキングなら統率力がある。


 ならゴブリンクイーンなら……知能で己の力をカバーする。


 自分が子どもを生める体なのもあり、その数も多そうだ。


 俺は気合を入れて、せめて村の様子だけでも見に行くことにした。



「うわあああああ!」


「ママあああああ!」


 村の中では子ども達が泣き叫んでいる。


 大きさ的にはココロとそこまで変わらないだろう。


 なぜ、子どもだけ泣いているのか。


 それは意図的に親だけ殺されているからだろう。


 子どもなら自分達の駒として手なづけられる。


 まるで小さい時から奴隷を育てているような感覚なんだろう。


 想像以上の状況に俺は息を呑む。


 これは冒険者ギルドに依頼をかけないといけないだろう。


 それもAランク冒険者が数人……いや、パーティーレベルで必要になりそうだ。


 俺がその場から立ち去ろうとしたら、後ろから声が聞こえてきた。


『グギャギャ!』


 どうやら俺はゴブリンにバレていたようだ。


 ゴブリンの姿を中々見なかったのは、意図的に俺を待っていたってことか。


 久しぶりの感覚に俺も笑いが止まらない。


「シュバルツいくぞ!」


『ヒヒーン!』


 俺はココロがいるところまで戻らないといけない。


 こんなところで死んでたまるか。

お読み頂き、ありがとうございます。

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