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【連載版】魔獣の傷をグチャグチャペッタンと治したらテイマーになっていました〜黒い手ともふもふ番犬とのお散歩暮らし〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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49.飼い主、怒られる

「はっ!?」


 僕は急いで目を覚まし、周囲を見渡す。


 夜中におででさんにグチャグチャペッタンをお願いしていたら、そのまま寝てしまったようだ。


 だって、あんな痛々しいところ見たくないもん!


「パパー? ケルベロスゥ?」


 すでにマービンやケルベロスゥはいなかった。


 声をかけても反応はない。


 やはり近くにはいないのかな?


 僕の部屋や一階に行くけど、マービンやケルベロスゥはいない。


「どうしたの?」


 どこに行ったのか探していると、宿屋の女性に声をかけられた。


「パパとケルベロスゥがいないの」


「あー、馬小屋にいると思うわよ」


 きっとシュバルツに会いに行っているのだろう。


「本当にあなた達って似ているわね」


「ぼくたち?」


「ええ、パパもそっくりね」


 お礼を伝えようとしたら、僕達似ていると言ってきた。


 ケルベロスゥと僕は同じ黒い色の髪の毛だから似ているけど、マービンは一緒じゃないよ?


 少し疑問に思いながらも、お礼を伝えて馬小屋に向かった。



「はああああ!」


『そんなんじゃ遅いぞ?』

『兄さんもう少し左にずれて!』

『いや、ここは右だ』

『右に行ったら私が当たるわよ!』

『あっ……そうか』


 僕は目の前の光景に驚いた。


 マービンとケルベロスゥが喧嘩をしていたのだ。


 しかも、マービンは剣を持っている。


 そんな危ないもの持って喧嘩なんかしたら、怪我じゃ済まない。


「もう一度いくぞ!」


 マービンは足に力を入れると、剣を大きく振りかぶった。


「けんかはだめえええええ!」


 僕は急いで駆け寄って間に入る。


「なっ!?」


『ココロ!?』

『危ない!』

『どきなさい!』


 だが、マービンとケルベロスゥも急には止まれないんだろう。


 僕は目の前で剣が振り下ろされるのが、怖くなって目を閉じた。


 あれが当たったら痛いのかな。


 そう思っていたが、一向に何も起きなかった。


 ゆっくりと目を開けるとおててさんが剣を止めて、おででさんがケルベロスゥを捕まえていた。


 知らない間におててさんとおででさんにお願いごとをしていたのかな?


「はぁー」

「よかった」

『『『ワォー』』』


 僕は安心したのか、体の力が抜けてその場で座り込んだ。


 でも安心したのは僕だけではなかった。


 マービンとケルベロスゥもその場に座っていた。


「けんかはだめだよ!」


 僕の言葉にマービンとケルベロスゥはお互いに目を合わせると笑っていた。


 喧嘩をしていたのに笑うって反省していないやつだ。


 僕がプンプンしていると、僕よりも怒っている人がいた。


 いや、人じゃなくて手だったね。


 おててさんとおででさんがすごい勢いで、マービンとケルベロスゥを掴んだ。


 手を素早く動かしているのを見ると、怒っているのだろう。


「ふふふ」


 いつもはケルベロスゥだけ怒られているのに、マービンも一緒になって怒られているのを見ると面白いな。


 そんなことを思っていると、僕の体も宙に浮いた。


「えっ……」


 おででさんが僕も同じところに運んでいく。


 まさかこれって……。


 おててさんが僕に向かって怒りだした。


 何を言っているのかはわからない。


 ただ、怒っているのはすぐに伝わってくる。


 だって手が速く動いているんだもん。


 きっと僕がマービンとケルベロスゥの間に入ったことに対して怒っているのかな。


 怒られたのって初めてな気がする。


 今まで誰にも怒られたことがなかったもんね。


「ひひひ」


 僕はつい嬉しくなって笑うと、おててさんの手の動きがさらに早くなった。


 どうやら怒られている時は笑ってはいけないようだ。


「これはいつまで続くんだ?」


『反省するまでだよ?』


 どうやら僕達が反省するまで、おててさんに怒られるらしい。


 僕達が似ているってこういうことを言うのかな?

お読み頂き、ありがとうございます。

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