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【連載版】魔獣の傷をグチャグチャペッタンと治したらテイマーになっていました〜黒い手ともふもふ番犬とのお散歩暮らし〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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45.飼い主、安心する

「おい、ココロ起きろ」


 僕は誰かに揺すぶられて目を覚ました。


「パパ……?」


 なぜか隣にはマービンがいた。


 マービンと一緒に寝た記憶はない。


 枕元を見ると、そこにはケルベロスゥもいる。


 あっ、そういえば昨日ケルベロスゥがいないことに気づき探していたんだっけ。


 マービンの部屋の扉が開いていることに気づいて、チラッと見たらケルベロスゥがいたんだ。


 ひょっとしたら部屋を間違えたのかなと思いながら、僕もそのまま一緒に寝たんだった。


「大丈夫か?」


「へっ?」


 マービンは僕を心配していた。


「泣いているぞ?」


 僕は目元を触るとなぜか濡れていた。


 なんでだろう……。


 何か悲しい夢を見ていたはずだが、全く思い出せない。


「あっ、てだいじょうぶ?」


 僕は体を起こすと、すぐにマービンの右腕を確認する。


 気づかないうちにマービンの腕を枕にして寝ていた。


「あっ……ああ」


 どこか歯切れが悪いのはやっぱり痛いのかな?


「グチャグチャペッタンする?」


「いや……さすがにそこまでは――」


「やったほうがいいよ?」


 僕の言葉に反応して、おででさんが近づいていく。


 今日はおててさんじゃなくて、おででさんがグチャグチャペッタンするのかな?


 僕がパパさんを追い詰めていると、突然衝撃が走る。


『パパさああああああん!』

『頑張ったね。辛かったね……』

『あなた本当に良い男ね!』


 ぶつかってきたのはケルベロスゥだった。


 ケルベロスゥはマービンにスリスリしていた。


「ムッ……ずるい」


 なんか僕だけ仲間はずれにされているみたいだ。


 僕もそこに紛れてマービンとケルベロスゥにスリスリする。


『オラオラオラ!』

『へへへ、ココロかゆいよ』

『寂しがりやなんだから』


 ケルベロスゥも僕にスリスリとしてきた。


 僕達はこれからも何をするのも一緒だもんね。


「とりあえず飯でも食べにいくか」


「うん!」


 僕達は起きてご飯を食べにいくことにした。


 マービンの右手がいつもよりぶらぶらしてたのは気のせいなのかな?



 ご飯を食べ終わった僕達は冒険者ギルドに向かった。


 報告があるから朝伝言があったらしい。


「おはようございます!」


 僕はマービンに習ったように、挨拶してからギルドの中に入っていく。


「おっ、やっときたな!」


 ギルドマスターは僕達が来るのを待っていたのか、珍しく受付にいた。


 このまま来なかったら、ずっと待っていたのだろうか。


「ギルドマスターは早く仕事してくださいね?」


 いや、この感じだと仕事をサボっていただけかな?


「何かあったのか?」


「ああ、ちょっと別の部屋にいいか?」


 初日に冒険者ギルドに来た時と同じように、別の部屋に案内された。


 変わった道具に手をかざすと、ギルドマスターが話し始めた。


「昨日、紅蓮の冒険団が警備隊に捕まったようだ」


「それはよかった」


 紅蓮の冒険団が警備隊に捕まったという知らせだった。


 それを聞いた僕は安心したのか、大きなため息を吐いた。


 また、ケルベロスゥやシュバルツがいじめられるのは嫌だったからね。


「だからゆっくりしてから向かってもいいぞ? この町のやつらはケルベロスゥになれているからな」


『あいつら俺の体を舐め回すように見てくるぞ!』

『モテてる証拠だわ』

『兄さんも姉さんも勘違いしているよ?』


「ははは、ミツクビウルフって珍しいからな」


 どうやらそんなに急いで王都に向かわなくても良さそうだ。


 それでもケルベロスゥは、町にいることに慣れていないもんね。


 ずっと森の中にいたら、そっちの方が自由にのびのびできるんだろうな。


「ココロはどうしたい?」


「んー、あっ! おいしいものたべてからいく!」


『おっ、俺はそれでも構わないぞ! 肉だ! 肉!』

『僕も賛成! ニックニク!』

『本当にあなた達は肉に目がないのね。 ニックウウウウウウ!』


 うん、みんなはお肉が大好きなんだね。


「じゃあ、しばらく町で遊んでから王都に向かうか。馬車にも乗らないから気にしなくてもいいしな」


「はぁん!? 馬車に乗らないのか?」


「そのつもりだぞ?」


 馬車に乗らないと聞いて、ギルドマスターはソワソワとしていた。


「ああ、あいつらになんて言われるのか……」


 どこかソワソワしたギルドマスターがそこにはいた。

お読み頂き、ありがとうございます。

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