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【連載版】魔獣の傷をグチャグチャペッタンと治したらテイマーになっていました〜黒い手ともふもふ番犬とのお散歩暮らし〜  作者: k-ing☆書籍発売中


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27.飼い主、新しい友達とグチャグチャペッタン

 いつのまにか増えているおててさんに僕も困惑する。


 今まではスラっとしたおててさんだったが、隣にいるのはゴツゴツとしたおててさん。


 まるでパパの手にそっくりだ。


「ママおててさんとパパおててさんかな?」


 僕の言葉にお互いに手を叩いて喜んでいた。


 基本片手だったから、拍手ができるようになったね。


「でも何て呼んだら良いのかな?」


 ママおててさんとパパおててさんだと呼びにくい。


「んー、どうしようかな?」


 僕は隣にいたケルベロスゥに聞いてみることにした。


『同じで良いじゃないか?』

『それはダメだよ?』

『そうよ。それなら私達も同じ名前になっちゃうじゃない』

『あっ……そうだよな……』

『僕達って体は一緒だもんね』


 ケルベロスゥは一緒になっているけど、おててさんは離れている。


 それなら尚更名前が必要になるはずだ。


「おててさんと……おででさんは?」


 おててさんとおででさんは一緒にいないといけない気がする。


 だから似たような名前の方が良いだろう。


 おででさんは、親指と人差し指をくっつけて丸を作っていた。


 おててさんはたまに両手で出てくるけど、おででさんは片手だけなのかな?


 名前をつけたら、次は気になっていることを解決しなきゃ。


「そういえばケルベロスゥってケガしていたよね?」


 僕はケルベロスゥを助けに行った時に、血が出ていたのを覚えている。


『あっ……えーっと、舐めれば大丈夫だ!』

『そうだよ? おててさんへのお願いは一日三回までだからね』

『私達にその一回を使ったらもったいないわよ』


 ケルベロスゥはゆっくりと後ろに下がっていく。


「だいじなともだちだもん……」


 僕は転ばないように足元を見ながら近づいていく。


『ココロ……』


 その場で立ち止まり僕の顔をチラチラと見ている。


『泣かないで』

『ココロのことは好きだよ? ただ、おててさんが……』


 ひょっとして落ち込んでいると思ったのかな?


 それならこのまま泣いたふりでもしていようかな。


「おててさんのことがきらいなの?」


 僕の友達に友達が嫌いって言われると、僕も悲しくなってくる。


『俺は嫌いじゃないぞ!』

『僕も好きだよ!』

『私はおててさんがいないと淑女になれないのよ!』


 どうやらおててさんのことは嫌いになっていないらしい。


 それならよかった。


「ならおててさんのグチャグチャペッタンもうけてくれるよね?」


『うっ……』


「ねぇ? ベロはいいよね?」


 ジーッとベロを見ると、どうしようか戸惑っていた。


 隣では必死にケルとスゥが横に首を振っている。


「やっぱりベロはぼくのこときらい――」


『存分にやっていいよ!』


 ベロは大きく手足を広げて床に寝転んだ。


『なっ……!?』

『裏切り者よ!?』


 へへへ、ベロが一番優しいのを僕は知っているからね。


『俺は認めないぞ!』

『感触が気持ち悪いのよ!』


 僕がゆっくり近づくと、おててさんとおででさんも準備をしている。


 おででさんは助手なんだろう。


 ケルベロスゥが動かないように、おででさんが押さえつけていた。


『離せえええええ!』

『いやあああああ!』


「グチャグチャペッタン!」


 僕の掛け声に合わせておててさんは、傷口をいじっていく。


 本当にグチャグチャと音が鳴っており、あまり見ない方が良い光景だ。


 しばらくの間、目をつぶっておくことにした。


『うわああああ。内臓がグチャグチャ言ってるぞおおおお!』

『兄さん! 実況するのはやめて!』

『そもそも切り傷なのにグチャグチャしなくて良いじゃないの!』


 僕の回復属性魔法(闇)は傷口も消えるぐらい綺麗になるからね。


 ただ、見た目と感触がとにかく気持ち悪いらしい。


 僕はいつも目をつぶっているからわからないや。


――ガチャ!


「ココロ起きた……」


 マービンも起きたのか部屋の中に入ってきた。


 ただ、僕達を見てその場で止まってしまった。


「うえええええ」


 あまりの光景にマービンはその場で吐いていた。


 ひょっとして体調が悪いのかな?


「マービンさんもグチャグチャペッタン――」


「遠慮しておく!」


 そう言ってマービンは部屋から出て行った。

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