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22.飼い主、初めての宿屋

「ほら、いくよ?」


『んー! 俺は行かないぞ!』

『離れるの嫌だよー!』

『せめて服でも置いていきなさいよ!』


 ケルベロスゥは脚に力を入れて歩こうとしなかった。


「シュバルツも手伝ってくれんか?」


『ヒヒン!』


 シュバルツはケルベロスゥの後ろに回ると、頭で押し始めた。


『ぬあああああ!』

『裏切り者だあああ!』

『タマを食いちぎるわよ!』


『ブルン』


 スゥの言葉にシュバルツは一度立ち止まった。


 シュバルツにも猫のタマがいるのかな?


「ああ、言ってなかったけどシュバルツはメスだぞ?」


『へっ?』


 今度はスゥがびっくりしていた。


『ちょ、お前力抜くなよ!』

『姉さん!』


 スゥが力を抜いたことで、シュバルツにどんどんと押されていく。


 正確にいえば転がされている。


 ケルベロスゥって一人でも違う動きをすると、力が入りにくくなると言っていた。


 本当に三匹が一匹になっているようだ。


「おいしいおにくもあるよ?」


『肉!』

『ちょ……兄さん!?』


 気づいた時にはケルベロスゥは自ら歩いていた。


 どうやらベロ以外は抵抗できなくなったようだ。


「おいしいごはんたべようね!」


『ココロオオオォォォ!』


 ベロだけが遠吠えをしていたが、僕達は気にせず宿屋に向かった。


 って言っても宿屋は町の入り口近くにあった。


 立ち寄った人がどこにあるのか、すぐにわかるように一店舗は町の入り口か中央にあるのが一般的らしい。


『肉はまだか!?』

『ココロオオオォォォ!』

『性別を間違えるなんて淑女失格ね……』


 ケルはウキウキしているけど、ベロはずっと遠吠えをしてるし、スゥは落ち込んでいる。


 みんな感情が違う影響か尻尾がグルングルンと大きく回っていた。


 喜んで良いのか、落ち込んで良いのか尻尾も迷子になっているのかな?


 僕と同じだね。


 ケルベロスゥはシュバルツにそのまま宿屋にある馬小屋に連れていかれた。


 馬じゃないのに馬小屋で良いらしい。


「ココロは別の部屋に泊まるか?」


「ぼくおかねないよ?」


「うん? ああ、ビッグベアーを町まで運んできてもらっただろ?」


「うん。おててさんががんばってた」


「ビッグベアーは爪や皮が高く売れるからな。それに討伐されるだけで、討伐報酬がもらえるから別に問題はないぞ」


 ビッグベアーを町まで運んだことで、宿屋のお金は必要ないらしい。


 あとでおててさんにお礼を言わないといけないね。


 ビッグベアーを置いてきちゃったら、今頃泊まるところもなかった。


 まぁ、森で寝ていたから安全な町とは違うから、外で寝ても僕は気にしないよ?


「マービンさんはとなりにいる?」


「ああ、何かあったら俺のところに来たら良い」


「わかった!」


 僕は言われた通り宿屋に泊まることにした。


 宿屋は僕の家よりも大きく、たくさんの人が泊まっている。


 一階は食事処になっているからか、おじさん達が集まってすでにお酒を飲んでいた。


「部屋はここを使ってくれ」


 宿屋の人に案内してもらった部屋はとても広かった。


「僕の部屋よりも大きい……」


 初めて泊まる宿屋は僕、兄ちゃん、姉ちゃんが使っていた部屋よりも広い。


 こんなところで一人で寝れるかな。


 今まで一人で寝ることがなかったため、寂しく感じてしまう。


 やっぱりケルベロスゥがいないと、僕は寂しいな。


 荷物も特にないため、部屋からすぐに出てケルベロスゥがいる馬小屋に向かう。


『グルルルルル!』

『兄さん、人間に何かしたらダメだよ』

『そうよ。ココロが悪者にされちゃうわ』


 馬小屋からはケルベロスゥが何かに唸る声が聞こえてきた。


 僕は心配になり、急いで馬小屋まで走った。


「ケルベロスゥ?」


 馬小屋の前には鎧を着た男達三人がなぜか剣を握っていた。

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