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砂上の狩人  作者: eight
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第55話 ギルニアを統べる者④

ディケンズはルスラの氷剣による連撃を下がりながら辛うじて回避する。

「くそっ!早ぇ!」

そこへ横からブロウが大剣を振り下ろす。

しかし、ルスラは横に回避して、振り下ろされた大剣の上に手を着き逆立ちすると、開脚しながら回転して回し蹴りを二人に喰らわした。


転倒したブロウに追撃を仕掛けるが、それを防ぐべくディケンズが尻尾を振り上げる。

ルスラは吹き飛ばされるも受け身をとり、複数の氷の礫を作りだし飛ばした。

ディケンズは何とか躱したが、起き上がったばかりのブロウは直撃を喰らい、再び吹っ飛ばされた。

「ブロウ!」

ディケンズが叫び、思わずブロウの方を見る。


「よそ見したらダメだよ。」


ディケンズが声に振り向くと、目の前に来ていたルスラが氷を纏わせた足で宙返りするように蹴りあげた。

「がはぁ!」

ディケンズは飛ばされ倒れた。



「どうする?まだ続ける?」余裕を見せるルスラ。

大剣を拾い上げたブロウが言う。

「続けるも何も、まだ始まったばかりだぜ。」


ブロウが小声で言う。

「俺が引き付ける。隙を見て、狙い撃ってくれ。」

「だな。人型相手に斧と大剣じゃあ、同士討ちが怖い。」


二人は左右に分かれ、ディケンズを斧を投げつける。

ルスラが回避した先に向かい、ブロウが切りかかった。

氷剣で受け止め、鍔迫り合いが始まる。

「力比べなら負けねぇぜ!」

氷剣にビビが入る。

「・・・そうね。」

ルスラは剣を引きながら、回転して回し蹴りを繰り出す。

ブロウは剣を手放して蹴りをガードすると、そのまま足を掴み、振り回すように投げ飛ばした。

「ディケンズ!」

ブロウが叫ぶ。

「任せろ!」

言うと同時に光弾を放つ。

ルスラの着地点で爆発が起きる。


「やったか・・・」

二人が息を飲んで見つめる。


煙が晴れた先にはルスラが立っていた。

彼女の前には光弾によって溶けかけた氷の壁が形成されていた。

「氷を扱うから、熱には敏感なの。」

「ちぃ!」


「それにしても・・・」

ルスラは自身の氷の壁を溶かしたソールオングルを見つめた。

「貴方はいらないけど、その武器は持ち帰りたいね。」






「ぐはぁ!」

殴り飛ばされたライラが燃えながら、砂地を転がる。

「こいつは堪えただろ?」

ミルドが楽しそうに言った。

身体から煙を上げながら立ち上がったライラが睨み付ける。

「いいねぇ~そういう目。嫌いじゃないよ。」

「舐めやがって。」

「何ならワタシの配下にしてやろうか?」

「ざけんなぁ!」


ライラは走り出しながら、手に魔力を込めて砂の玉を放つ。

ミルドは手から放った炎で砂の玉を相殺する。

身を屈めて潜り込んだライラが剣を斜めに切り上げる。

ミルドはライラの腕を足で抑えて斬撃を止め、そのまま顔を蹴る。

後ろに下がって避けたライラは、跳び上がりソバットを繰り出した。

ミルドはそれを潜るように躱して、腹目掛けてストレートを喰らわし、ライラを殴り飛ばした。


同時に横から跳んできたルルが連打を放つ。

ミルドはその連撃を後退しながら躱す。ルルの速度をもってしても当てることは出来なかった。

攻撃を避けながらミルドが言う。

「アンタは確か・・・ラビリタスだったか?魔界では見ない種族だね。」

ルルは無視して連撃を続ける。

「中々の速度だよ・・・でも。」

ミルドが再びに拳に炎を纏わせ、カウンターを放つ。

ルルはそれを躱したが、即座に蹴りが飛び、そのまま吹き飛ばされた。


「さぁ、次はどうする?」

嘲笑うように言ったミルドに対し、二人同時に突撃する。

ミルドが身構えた瞬間、ライラは動きを止めて手を翳す。

ミルドの足元の砂が動き、バランスを崩したところへルルが一撃を入れた。

腹に拳が入り、ミルドが怯む。ルルは反転しながら続けざまに裏拳を繰り出した。

その瞬間にミルドが魔力を込める。

ルルの拳が当たる寸前で爆発が起き、ルルの身体が吹き飛び転がった。

「なっ!」

ライラの驚く先で、身体から煙を上げるミルドが立っていた。自身を中心に爆発を起こす技。

「便利な技だろ?」

ミルドはライラを挑発するように言った。

「当然、まだ坑がうんだろ?」






剣を構えたヘイリッドとバアルはジリジリと近づきながら、攻撃の機会を伺う。

「来ないのであれば、こちらから行くぞ。」

ゲイビルがそう言って突っ込んだ瞬間に、バアルが剣を振って炎を飛ばす。

ゲイビルは炎を難なく躱し、そのままヘイリッドへ切りかかる。

ヘイリッドが剣で受けたところにバアルが切りかかる。

ゲイビルは身体を反らし、ヘイリッドの剣を往なしてバアルの剣に当てた。

そのまま下がったゲイビルが剣に纏わせた闇を魔力を放つ。

ヘイリッドは横に回避し、バアルは剣の腹で受け止めた。

今度はヘイリッドが連撃を繰り出す。

ゲイビルは後退しながら剣で弾いていく。

両手で剣を握るヘイリッドに対し、ゲイビルは片手でそれを捌いていた。

一瞬の隙を突き、放たれた反撃はヘイリッドを捉え、ゲイビルよりも勝るその身体を吹き飛ばす。

「ぬおぉ!」


間伐入れずにバアルが飛び込み連撃を放つ。ヘイリッドより力は無いものの、速度は早い。

しかしながら、ゲイビルはそれも軽々と往なした。

バアルは片手で剣を振るいながら、後ろ手で炎を溜める。

互いの剣がぶつかり、止まった瞬間にバアルが隠していた火球を向ける。

「・・・甘いな!」

ゲイビルはまた闇の魔力を放ち、接近した両者の間で魔法がぶつかり爆発した。

吹き飛び転がったバアルに対し、ゲイビルは後ろに押されるように後退しただけであった。


そこにヘイリッドの放った雷の衝撃波が飛ぶ。流石のゲイビルも避けきれず、肩に被弾し吹き飛んだ。


ゲイビルは倒れたが、ヘイリッドもバアルもこれで終わるはずが無い事は分かっていた。二人は息を切らしながらも剣を構える。


「大したものだ。」

ゲイビルは被弾した肩を擦りながら、ゆっくり立ち上がる。

「力や魔力に差はあれど、闘いの技術は鍛練次第か。此処も魔界も大きく差が無いな。」

ゲイビルの言葉にヘイリッドが返す。

「ならば、こちらにも勝機があると言うことか?」

「いや、そうであっては此方にとって都合が悪い。」

そう言ってゲイビルは、近くに落ちていた兵士の剣を拾う。

「我々にはやらねばならぬ事があるのでな。」

ゲイビルが魔力を込めると左手に持った兵士の剣が闇に包まれ、右手に持つゲイビルの剣と同じに物になった。

「そろそろ終わらさせて貰おう。」

二刀流となったゲイビルは、再び剣に闇の魔力を纏わせた。





グルドラが両手を組み、跳びながら拳を叩き下ろす。しかし既にミゼットは居らず、拳は地面に叩き付けられた。

振り向きながら拳を振り回すも、ミゼットには当たらなかった。

「どうした?意気がってた割には当てて来ないじゃないか。」

「おのれ、ちょこまかと。素早さだけはあるようだな。」

「あたしが素早いんじゃない。お前がトロいだけだ。」

「貴様っ!」

憤ったグルドラが突っ込み、殴り付ける。

ミゼットは下がって躱すと鎚で頭を殴り付ける。

しかし、グルドラは微動だりしなかった。

だがミゼットも特に驚くこともなく、反撃を躱して距離を取った。


「・・・やはり硬いか。」

「フフッ。そんなカスみたいな攻撃じゃあ、虫に刺されるようなもんだな。」

グルドラの挑発をミゼットは涼しい顔で返した。

「カスみたいな攻撃でもダメージが無い訳じゃない。攻撃を当てれさえしない奴とカスみたいな攻撃の奴。最後に立っているのはどっちだろうな?」

「小癪な。」

飛び込んだグルドラの攻撃を回避し、ミゼットは再度一撃入れて離脱する。


「カスみたいな攻撃に倒されたら・・・」

今度はミゼットが挑発する。

「そいつはカス以下ってことなんだろうな。」

「貴様っ!」怒りでグルドラの頭に血管か浮かぶ。

「道理だろ?」

「ブッ殺す!」

グルドラが気合いを入れると筋肉が更に隆起する。

ミゼットも鎚を握り直した。

「教えてやるよ。人間界(こっち)に住む魔族の実力ってやつを。」


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