選ばれし者
もともとフランクに話をしていたナオミちゃんと僕だが、彼氏&彼女となってその関係は加速した。簡単に例えると、今までは会話だけだったのが、指を絡ませたり抱きついたり、接触がすごく増えたのだ。僕達はクラスでも公認だし、なんだかんだイチャイチャしている。
そして『彼女持ちの男』という人種になると、女子が話しかけるハードルがグンと下がるということに気づいた。『タカシ』ではなく『ナオミの彼氏』になると女子達は警戒心の欠片も無いのである。まぁ、ナオミちゃん強いからねぇ。
ということで、スケスケの魔眼も絶好調で、色んな女子の裸体を拝ませてもらった次第だ。
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そうして、告白の日から一ヶ月が経ち、僕はいつものようにナオミちゃんと一緒に学校を後にした。ここの路地は人気がない。付き合ってから三回目のキスをしようと、ナオミちゃんを抱きしめたとき、魔眼殺しのメガネをくれたお姉さんが、そこにいた。今日は、黒いドレスではなく、ジーンズにTシャツだった。
「少年……。能力に喰われることなく、つつがなく過ごしているようだな。今のうちに教えておかないといけない内容があってな」
「お、おかげさまで」
ナオミちゃんから離れた僕は、ついついメガネを外そうとする。
「オマエは眼鏡をかけておけ。エロ助」
「は、はい。すいません」
ナオミちゃんが、少しむくれる。
「また、女の人?今度は大人の?アンタいったいどんだけ……」
僕が慌てていると。
「ははっは。妬くことはないよ。困っていた私に魔力補充をしてくれただけの関係だ」
お姉さんが説明してくれた。
「魔力?魔法?って『敏感ホーミング』とかいう、胸と股間の敏感な突起をつつきまくる くっだらない魔法のこと?」
ナオミちゃんが聞き返した。
「………ブホッ。『敏感ホーミング』な、なんてことしてるんだい、少年」
ツボったのか、笑い転げるお姉さん。
「いや、あの……その」
「この子の能力は……」
「ま、待って」
「続けて」
ナオミちゃんに押し切られた。
「透視の魔眼よ。服が透けて裸が見えるの。魔眼殺しのメガネを外したら……だけどね」
ナオミちゃんが固まる。
「だから……見えている敏感なトコロをつつけば、『敏感ホーミング』になるってこと?タカシ君?」
声のトーンが怖い。
「はい、おっしゃる通りです」
一呼吸をおいて、さらに問い詰められる
「メガネをしていない体育の時、私の開脚前転をガン見してたわよね……」
「いいものを見ました」
ぷるぷるしてる。ヤヴァイ、破魔の聖拳が来る……と思っていたら。
「www、マジうける。ひぃいいい苦しい」
笑い転げているお姉さんがいた。
「あの……人の修羅場を、そんな風に目の前で笑われても」
すこし、呼吸を整えたお姉さんが、途切れ途切れに話た。
「あのね、その透視の魔眼は、童貞を捨てると使えなくなるから。ぷぅうううクスクス。だいじょうぶ、貴方次第だって、お嬢ちゃんwww」
能力喪失の条件に固まる僕と、前のめりに聞き入るナオミちゃんがいた。
「じゃぁ、コレとコレもあげるね。お幸せに。しっかり考えるんだよ」
お姉さんは、避妊具と緊急避妊薬をナオミちゃんに手渡した。
「えと?教えておかないといけない内容って?」
「魔眼は、童貞を捨てると使えなくなるってコトよ。じゃーね♪」
そうして、タッタカターッとお姉さんはいなくなってしまった。
「ねぇ……裸を見る相手は、私だけにしてくれる?」
ナオミちゃんの誘いに、僕は……
(おしまい。↓そしてマルチエンディング)
[A:選ばれし者 = ナオミ end]
ん~魔眼が無くなっても、ナオミちゃんが脱いでくれるしぃ~。
視界にシースルー服の余計なレイヤーもないしぃ~最高。
10年後くらいに、ゴールインかな。
[B:選ばれし者 = タカシ end]
魔眼は捨てられない。だって、色んな女子見たいしぃ~。
それに、まだ中学生だから、そんな行為は早いしぃ~。
魔眼を堪能してから、20代前半で能力喪失かな。
[C:選ばれし者 = マスミ end]
魔眼は捨てられない。でも、裸を見るのも飽きてきた。
憧れの着衣プレイだと……
これは、もう彼(女)を選ぶしかっ、アァーーーーッ。
「選びし者」の貴方はA~Cのどれを選ぶか、感想欄にカモォオオン。
もちろん別の選択肢もOK。
タカシが魔術師を目指す、お姉さんENDもいいですね。
最初は、男の子のロマン「透け透けゴーグル」の話で書いていたのですが、展開が面白くないので、「裸眼=透け透け、メガネ=普通の視界」にしてみました。
30歳まで童貞だと魔法使いになれる?とかなんとか、都市伝説ありますしね。
え?少年が魔眼殺しのメガネを若い女性の魔術師に与えられる話ってアレだろアレ。そうですね、殺人貴とか執事とか奪還屋とか色々ですね。