表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

メガネ、その名は「魔眼殺し」

「眼鏡をかける」そこにはどんな理由があるのでしょう。その理由の一つになるんだか、ならないんだか……の話を書いてみました。私は近視のメガネですけどね。

 ある日、学習塾からの帰り道の夜、僕は黒いドレスを着た若い女の人と出会ったんだ。

 その人は、すごく疲れているように見えた

「はぁ、はぁ……くっ、私としたことが、魔力切れなんてね」

「あの、その、お姉さん?大丈夫ですか」

「誰だい?まったく、認識阻害魔法もできやしない。ん?」


 黒いドレスのお姉さんは、僕をマジマジと見る。

「少年……君は、魔力持ちか。私に少し分けてもらえるかな」

「まりょく?」

「気が付くことなく、人生を終える人も多いけどね。私に魔力を分けると、少し疲労感が来る程度なんだけれども、お願いできるかな」

 切実な要望に思えた。

「いいよ。どうすればいいの」

「オデコに私の手を、こうするの」

 お姉さんの綺麗な手が、僕の視界を遮る。


「いくわよ。魔力吸収アブソープション……あら?封印?魔力と一緒に流れて来ちゃった」

 お姉さんの手のひらが僕から離れて、遮られていた視界が戻った。

「お姉さん。す、すごい」

 僕は新しい視界を得た。お姉さんのドレスがスッケスケだ。

 上半身を堪能した後、視線を下半身に移動させる。


「どうしたの、封印が剥がれちゃったけど」

「下の毛、生えてないんですね。まる……見え」

 お姉さんは、ガバっと腕を動かして、胸と股間を隠した。

「処理してるだけよ。って何?魔眼でも封印されていたの」

 あ、腕で隠された。残念、でもセミヌードもそそる。


「そんなの分からないですよ、魔力を分けただけ?なんですから」

「透視の魔眼か何かかしら……えーと、封印は、まるっと生きたまま私が動かせるから」

 ゴソゴソとバッグの中を探す、お姉さん。

 遮っていた腕が移動されたので、みえる、みえる、綺麗な裸体だなぁ~。脳内フォルダに保存、保存。

「あった、コレコレ。封印移動っと」

 そうして、男女兼用ユニセックスデザインの黒ぶち眼鏡が少し光った。


「この眼鏡をかけてみて」

「う…うん」

 かけてみると……お姉さんの黒いドレスが透けなくなった。

「あ、服が」

「まったく。なんてハレンチな魔眼もっているのよ。封印を網膜とか脳に移動させるのは無理だから、この眼鏡に移しておいたわ。悪いけど眼鏡をかけて生活してね。それじゃ魔力ありがとう」


 そうして、僕の魔力を吸収したお姉さんは、元気いっぱいになり、走っていった。

 その後ろ姿を眼鏡をはずして見たら。形のよいお尻を眺めることができた。脳内フォルダに保存、保存。

 さて、早く帰って自家発電しよう。ティッシュの残りは充分だろうか。


----------------------------------


「お兄ちゃん。朝だよ、起きて」

 小学校高学年の妹が僕を叩き起こす。

「ん~、もうちょっと。」

 そう思って、薄く目を開けると。妹の制服が透けていた。そうか、うっすらと毛が生える歳になったんだなぁ。最近は、お兄ちゃんとお風呂に入ってくれないから、知らなかったよ。


「もう、私は当番で早いから先に行くからね」

 そう言い残して、妹は先に向かう。

 僕は枕元のメガネをかけて、キッチンに向かった。


「あら、眼鏡かけてどうしたの?」

かしこそうにでも見せたいのか?」

 母親と父親が僕のメガネに質問する。


「ん~ちょっとね。UVカットとか色々」

 適当な返事を返しておいた。

 スッと眼鏡を外してみると、母親の服は透けるが、父親の服はそのままだった。

 昨日の帰り道でも少し試したが、女性しか透けないらしい。母親の裸には興味がないので、魔眼殺しのメガネをかけながら僕は朝食をとった。


 そして中学校に向かう。ここからが本番だ。

 グラウンドで部活している女子がいた……

 スッと眼鏡をあげる。体操服がスッケスケになる。嗚呼、眼福がんぷくでございました。

 やばいやばい、あんまり見ていると股間がテントになってしまう。昨日は、けっこうハッスルしたんだけどな。元気だね僕の分身。


 教室に入って席につくと、クラスメイトのナオミちゃんに声をかけられた。

「え、何?タカシ君?眼鏡かけてる。イメチェン?」

 目の前にやってきて、ヒョイっと僕のメガネを奪い、自分の顔にかけた。


「やっぱ、度数は入ってないんだ。似合う?」

 顔を見るどころではない。約50cm先の裸体に、僕の視線は吸い込まれてる。この子、可愛いだけじゃなくて、けっこう……いいカラダ。やばいやばい、ちゃんと眼鏡姿をチラ見して

「似合うじゃん。男女兼用ユニセックスデザインだし」

適当な感想を述べてたものの、視線を服が透けた胴体に戻してしまった。


「な~んかヤラシイ目で、顔以外を見てない?」

「み、見てないって。ヤラシイ目を隠すのにも眼鏡がいるんだって」

「エロ目隠しってwwwウケる~♪」

 ケタケタを笑いながら眼鏡を返してもらった。ナオミちゃんの後ろ姿を拝んでから、僕は眼鏡をかける。が、しかし……油断した。

 

「おいタカシ。そのデカブツしずめておけよ。もうすぐ授業だぞ」

「ああ、ヤバイ。くっそ」

 うっかり、股間をテントにしてしまった。

 僕の通う中学校は、

   起立  合掌  礼  着席  

のため、ポケットに手を突っ込んで、テントの中央柱となる暴れん棒を押さえつけることができない。おのれ合掌、なんというセクハラ挨拶。

 しずまれ~しずまれ~。必死で精神統一をして深呼吸をおこなう。よ、よし。少し柔らかくなった。これなら何とか、前かがみもマシなレベルに。


 そうして、先生が教壇にやってきた。

   起立  合掌  礼  着席  。

よかった、どうにか乗り切ることができた。

 そのあと、ちゃんと柔らかくなるまで、5分くらいかかってしまった。


----------------------------


 授業を淡々とこなしながら、僕は眼鏡をチョイチョイ外して、女子達を確認する。下の毛の処理だの、胸のパッドだの、知らなければ良かった情報もわんさか。でも、まぁやっぱりねぇ見たいもんねぇ。

 重要なのは、自分の股間が反応する前に眼鏡をかけることだった。


 そうして、この授業がやってきた。体育だ。

「伊達メガネなんだろ外しておけよ。ボール当たると壊れちまうぞ」

と、本職のメガネ君からアドバイスをいただく。彼は何回か体育の授業でメガネを壊している。

「あぁ、そうだな」

 体操服の生地って柔らかいし、テントになるとモロバレだから、できるだけメガネをかけておきたいと思ったり。でも、この魔眼殺しのメガネを壊してしまうとスペアは無いし。

 そうして、僕は、魔眼殺しを眼鏡ケースに収納して、体育の授業に向かった。


 今日の体育は体育館を分割して、男子はバレーボール、女子はマット運動だった。

 股間のテント発生事件を未然に防ぐために、なるべく女子の方を見ないようにしないといけない。見たいけど。


 そうこうして準備体操も終わり、バレーボールを僕達は始める。ああ、隣のマット運動を見たい。

「じゃぁね。開脚前転、いっくよ~」

 ナオミちゃんの声が聞こえた。ココから体操マットは位置的に近い。ぬおぉおおお我慢の限界だ。

 僕は見てしまった。ガバっと足を開いて前転するスケスケ状態のナオミちゃんを。スマホのエロ画像検索では出て来ない、10代クラスメートの秘密の部分を。


「おいっ、レシーブ」

 僕が隣の女子達をガン見していると、前からバレーボールが飛んできて、顔面を直撃する。

「イテェ」

 バチンという音の後、鼻血が垂れてきた。


「コッチ見過ぎ、このエロ助。その鼻血の原因はボール?私達?保健室行ってきなさいよ、もうっ」

 女子達にも見ているのがバレてしまったみたいだ。めっちゃ笑われてしまった。わかるまい、スケスケの魔眼で、今もガン見しています。鼻血の原因はコッチかな。


「血が止まるまで、ここで座っておこうかな」

 視線は、現在進行中の女子の開脚前転。

「はやく、保健室いってこい」

「は~い」

 仕方がないので僕は保健室に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ