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クリエイティブ ワールド  作者: 秋花
第一部 伝説の生物と、神のつながり
2/13

第一章 第一話

「ギャハハハ。」

「ククククッッ。」

ダレモイナイ。可笑シスギル。

マルデ『モンティホール問題』。

正ノ方向ニ歩イテイルノニ。


オ客様ハ全クコナイ。



一話『コップ一杯の水があふれた』



俺の名前は「クリム・ルーシィドゥ」。

よく皆には「クリム」と呼ばれる。

父さんと母さんと兄ちゃんがいる。

父さんは「フェニックス」の種族なんだ。

母さんが「バシリスク」。兄ちゃんは「ドラゴン」。

皆強い種族を得ているんだ。羨ましい。

それに比べて、俺はまだ種族がない。

どうやら発達途中と言われているらしい。

それ故に、スキルすら無い。


この村は平穏な村。森に囲まれてて、少しの農作物が取れる。生活にも不便なし。

…だった。あの時が来るまでは。


その日は日がさしていなかった。曇り空のときに突然、女の研究員のような人と村長が家に上がってきて、

「お前のところの長男をこの研究員の人に渡してくれ。」

と言われた。

事情を詳しく家族全員で聞いた。


「なるほど。俺を研究材料にしたいと。」

そうしないとこの村が爆発する…

しかし家族をオーバーディオに出すのは少し躊躇する…

「分かりました。行きましょう!」

…!?

「なんで!?」

思わず言葉が出た。俺が一番尊敬している人を失いたくなかった。

すると兄ちゃんはためらわずにこう言い始めた。

「俺の名は『クリム・ジェルタバ(犠牲)』!

 私の命は君の命!たとえ私が犠牲になろうと必ず君を救い君に会いに行く!」

俺と兄ちゃんでヒーローごっこをした時のセリフだと、瞬時に気づいた。

俺が戸惑っていると兄ちゃんは続けて

「それに、俺を心配するなんてお前らしくないぜ。

 あっ!俺弱いと思われてんのか!

 ひでぇー。俺の弟だろ?心配するな。」

そういった僕のヒーローの顔は…泣きかけていた。

…弱い俺は何も声をかけられなかった。


その後、父さんと母さんも許可をして兄さんは連れていかれ、その研究員は

「…気が変わりました。お父様とお母様も研究材料にさせてください。」

と言い始め、さすがにブチギレた。

「許すかよ!そんなこと!!」

しかし父さんも母さんも、「はい」と答えた。この村に迷惑をかけたくなかったんだろう。

そして村は救われた。平穏が戻った。

俺には当然、平和とは程遠かった。


その後の行動は本能的なものだった。

まだあの研究者と話したいことがある。

「おい!生意気研究員!俺もつれていけ!!」

「いや。」

「なんでだ?」

研究員は呆れ笑いをしながら言った。

「だって、ただの“無能”じゃん。」


…だめだ。何も…できない。

出来ることは…自分の失ったものを乗せた車が走っていくのをただただ見つめる事だけだ。

俺は…無力だ。



三日間、一人きりの3LDKで黙っていた。

やっと決心した。

「死のう。」


ありがとう。お母さんお父さん。

そして、すみませんでした。お母さんお父さん。

さよなら。この世の中。


森に入っていき、心臓にナイフを確実に刺した。

激痛が走り、それと同時に時間が止まった感覚を覚えた。

(スキル『成長性エクスペリエンス』発動)

(成長性の発動確認)

(スキル超回復を一時的に施しました。)

(種族『ドレイク』昇格)

(それに伴い身体能力向上しました。)

なんだ?これ?

(成長性の説明

このスキルにより精神が強くなった時に能力を得られます。)

(能力とはスキルのことです。)

(三途の川に一度送らせていただきます。)


軽々しく、三途の川へと送られた。

ここが、三途の川。

噂では神が現れるらしいが…。

「こんにちは。人間さん。」

「わぁ!ビックリした…」

靄がかかっていてよく見えなかったが、そこには緑っぽい服を着た綺麗なお姉さんが立っていた。見覚えは一切ない。

「どうも。君に能力を与えるものです。」

…?

「あらら…混乱してるのね?まあ、当然よね。

大丈夫。貴方はリラックスして。

私は生かすか殺すか選べる役職についてるんだけど、生憎君には成長性で超回復がついてるから生かさなきゃいけないんだよね。」

「いや…その…」

「そしたら、君の体を見る限り、向いているスキルは『反撃』と『周囲確認』ともちろん『成長性』。あと武器スキルの『刀剣特殊二級』と『刀剣三級』が似合ってるね。

……よし!付与しといたよ。」

「は…はぁ。」

何だこの人。しゃべり声が温かい。なぜか安心する。

「ほかにもいろいろついてるからね。

じゃあね。」

「待ってください!」

「ん?なあに。」

「お名前を教えてください。あと僕はこの後何をすれば…」

そう言いかけると口を手で覆われ、優しく微笑まれた。

「だーめ。名前は言わない。あと、この後どうすればいいかも言わない。」

「くそっ。」

「そうかっかしない。けどいいこと教えてあげる。

 そのスキル『成長性』は君のママから遺伝したものなんだよ。」

「…!?」

「そういう事。じゃあね。

あ、そうそう。起きるとき気を付けて。すっごい痛いからね。」

そう言われるとそのきれいな女性は消えて、現実に戻った。

その後、意識が飛ぶような激痛が走った。

しかし無傷で命に別状もないようだ。

「おお…!大丈夫…なのですか…?」

頭がいつもよりよく回る。力がみなぎる、活力が湧いてくる。

この力…ドレイクの力なら、復讐できるかもしれない。

あの『オーバーディオ』に。

「ああ。…少し出かけてくる。」

「ど、どこへ行くのです!?」

武器も何もない。

アイテムも財力もない。

資源が欲しい。

その為には…

「リソースフォレストに行ってくる。」

「や、やめたほうがいいかと…あそこは…」

「うるさい。村長は口を出すな。」


いざ。

リソースフォレストへ。

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