最強の魔法少女、ここに現る!
いつもと変わらない青い空が広がる街の片隅。そこで一人の少女が何かと戦っていた。まるでSFに出てくるような人型機械と赤髪で赤い瞳を持った不思議な装いをした少女が互いに対峙した状態で真正面からぶつかり合っていた。
「くぅッ!」
燃えるような瞳を持った赤髪の魔法少女は剣を携えて目の前の機械の怪物に果敢に挑むが、苛烈な弾幕によって近づけずにいた。それどこらか少女はヒヤッとするような盤面が多く、明らかに少女は攻め手にかけている状況だった。
「火力が足りないかも...増援はまだ?って、うわぁッ‼んく、よっとと‼」
機械はその腕に取り付けられたガトリング砲で正面を薙ぎ払い、背部に搭載された多連装ロケット砲で赤髪の魔法少女を徐々に徐々にと着実に追い詰めていた。場所が狭い路地だったというのも魔法少女側に不利に働き、回避に精一杯になっていた魔法少女はすでに後のない場所にまで追い詰められていた。
その時、少女の背後から爆発でも起きたのかと錯覚せんばかりの閃光が走り、そのまま光の線が魔法少女の真上を通り抜け、機械の頭部に付いていた単眼のカメラを真正面から的確に一撃で貫いた。頭部を貫かれた機械はやがて光をその破壊された個所から漏らしながら、自らを貫いた物体の方を振り向きながら力尽き、そのまま爆発した。
機械が爆発した後の煙の中に立っていたのは目が眩みそうなほどの虹の光を纏った白い魔法少女だった。とんがり帽子にテレビに出てくるような魔法少女のドレスを纏った白い魔法少女。その衣装にはところどころに綺麗に輝く虹色の宝石が散りばめられており、それが魔物を倒した際に発生したまばゆいばかりの光を吸収していった。やがてその白い魔法少女は赤髪の魔法少女を真っ直ぐに見据えて名乗りを上げる。
「正義の魔法少女フェアリーハート、今ここに参上!...ってあっやば‼逃げなきゃ‼」
名乗っている最中で何かに気づいたのか、白い魔法少女は満面のドヤ顔から一気に青ざめた顔に変わり、赤髪の少女が何かを言う前にそそくさと立ち去っていったのだった。
やがて残された赤髪の魔法少女はぽつりと一言呟いた。
「フェアリーハート、今度こそと思ったのに...」
イチノセです。いやー...最近魔法少女ものについて振り返っていたらいつの間にか魔法少女ものを衝動的に作ってしまっていました。後悔はしていない(キリッ)。いや、嘘です。正直、いついろんなところから怒られるのか怖くてびくついてます(アセアセ)。