7話:刻をこえて
そろそろ限界な烏鷺です。楽しい休暇から帰ってきたら、仕事が山積みになっていました。
皆は治安局の手伝いに駆り出され、シッタ・パーの残党狩りに出かけているせいです。
とりあえず書類を処理していかないといけませんが、まだこちらの文字がうまく読めません。だって平仮名っぽいけど読み方や意味が違う文字とかが混じっているのでつい平仮名の意味で読んでしまい意味が分からなくなります。
嘆いても書類は減らないので頑張っています。と、頑張っていたら邪魔が入りました…シッタ・パーの悪行の証拠を受け取りに南の港町ベルリンへ出張しないといけないようです。
この町は帝都と呼ばれていますが、厳密には帝都の外殻都市のひとつになります。南のベルリンに行くには帝都の東を流れる川を下って行くのがもっとも早くいく方法になります。
西の外殻都市であるこの町が帝都外殻都市で最大規模の町ですから、帝都から西に延びる帝國大道の最初にある都市で西北の外殻都市と西南の外殻都市を結ぶ街道が町の中心近くで交差するジャンクションの役目も晴らしています。
ベルリンに向かうには、帝國大道を西に向かい南北を結ぶ街道に出るか、西南都市を経由して南の外殻都市にいき帝都の南にある湖から船に乗り川を下るという手順が普通でしょう。稀に帝都経由で東の外殻都市にいき、直接川下りの船に乗る方法もありますが…帝都への入城手続きの煩雑さを考えたら避けたい選択です。
川下り一択なので、西にはいきませんから南の外殻都市に行くしか選択肢がありません。西南都市は西の外殻都市に比べて半分以下の規模のようです。西の外殻都市、その8割程度の東の外殻都市、6割程度の南の外殻都市、北の外殻都市がちょうど西の外殻都市の半分の規模で東西南北の年を結ぶ中継都市である西南・西北・東南・東北の4都市はさらに規模が小さいと聞きました。東西の都市から南には比較的人が流れるので、西南は西の半分に近い4割規模だそうです。東南は西の3割規模、西北と東北は西の1割5分から2割規模しかないそうです。
隊の馬や馬車は、僕の帰りが陸路になる予定なので使えません。定期乗合馬車に乗って西南に向かいましょう。帰りはベルリンの馬車を使うことになりますので上層部が向こうで購入済みだそうです。
駅馬車の様に、途中で車中泊しながら移動するわけではないので座席は寝台に使える機能を持っておらず、かなりお尻が痛いです。
西南都市の北門で降り、都市を抜け南門の南都市行き乗り場で南都市行きに乗り換えましょう。
ギリギリ閉門時間に間に合いました、南都市の衛視隊に宿舎を借りて今晩は泊まることになりました。
夜が明ける前に起こしてもらい乗船場に並びました。この船に乗れば日没前にベルリンに到着できます。
一日3便、あさ便は夕方到着。昼便は途中で休憩しつつ翌日の夜明けに到着。夕便は、翌日のお昼過ぎに到着予定ですが、宿代が節約できる昼便や夕便が人気があり乗船券を取りにくいため、衛視隊は原則的にあさ便にしか乗ってはいけません。
南都市に着いたら衛視隊宿舎に泊めてもらい、明日には馬車で戻ってくることになるでしょう。